Intel 4040

インテル4040：4ビットマイクロプロセッサの進化

インテル4040は、1974年に発表された4ビットマイクロプロセッサです。その名称は「よんまるよんまる」と呼ばれることが多く、インテル4004の後継として登場しました。このプロセッサは、フェデリコ・ファジンの発案によりプロジェクトが開始され、彼自身がアーキテクチャの設計を主導しました。詳細な設計はトム・イネスが担当しました。4040は、前モデルである4004から大幅な機能強化が施され、マイクロプロセッサの可能性を大きく広げることになりました。

進化のポイント

4040は、4004と比較して以下の点で大きく進化しました。

割り込み機能の追加: 割り込み処理に対応することで、より複雑な制御が可能になりました。
シングルステップ機能の追加: デバッグを容易にするシングルステップ実行機能が追加されました。
拡張性の向上: より多くの周辺機器を接続できるようになり、システムの拡張性が向上しました。
命令セットの拡充: 命令セットは46種類から60種類に拡張され、より効率的なプログラム作成が可能になりました。
プログラムメモリ容量の拡大: プログラムメモリは8Kバイトまで拡張され、より大規模なプログラムを扱えるようになりました。
レジスタ数の増加: レジスタは16本から24本に増加し、データ処理能力が向上しました。
内部サブルーチンスタックの拡張: 内部サブルーチンスタックは3段から7段に拡張され、より複雑なサブルーチン呼び出しが可能になりました。

周辺チップ

4040の登場に合わせて、さまざまな周辺チップも開発されました。

4201 クロック発生器: 500～740kHzのクロック信号を生成します。4～5.185MHzの水晶発振子を使用します。
4308 1KバイトROM: 1Kバイトの読み出し専用メモリです。
4207 汎用出力ポート: デジタル信号を出力するためのポートです。
4209 汎用入力ポート: デジタル信号を入力するためのポートです。
4211 汎用I/Oポート: 入力と出力の両方に使用できるポートです。
4289 標準メモリインターフェイス: 4008/4009とのインターフェイスに使用されます。
4702 256バイト UVEPROM: 紫外線照射で消去可能な256バイトのプログラマブルROMです。
4316 2KバイトROM: 2Kバイトの読み出し専用メモリです。
4101 256×4ビットワード RAM: 256ワード×4ビットのランダムアクセスメモリです。

まとめ

インテル4040は、4004の改良版として、より高度な処理能力と拡張性を備えたマイクロプロセッサです。割り込み機能や拡張命令セット、大容量メモリのサポートなどの追加機能は、当時のマイクロプロセッサの応用範囲を大きく広げました。このプロセッサの開発には、フェデリコ・ファジン氏の貢献が大きく、マイクロプロセッサの進化に大きな影響を与えました。

4040は、その後のマイクロプロセッサ開発の基礎となり、コンピュータ技術の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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