Iw (Linux)

iwコマンドについて



iwは、IEEE 802.11規格に基づいた無線LAN（Wi-Fi）ネットワークの設定を行うためのコマンドラインユーティリティです。このツールは、従来の`wireless-tools`に代わるものとして開発が進められており、より現代的な無線LAN環境に対応することを目指しています。

iwの特徴



  • - `wireless-tools`からの移行: `iw`は、旧来の`wireless-tools`が提供していた機能を置き換え、より包括的かつ柔軟な無線LAN設定を可能にします。
  • - 幅広いドライバサポート: `iw`は、`iwlwifi`をはじめとする多くの無線ドライバに対応しており、様々なハードウェア環境で利用することができます。
  • - 自由ソフトウェア: `iw`はISCライセンスの下で配布されている自由ソフトウェアであり、誰でも自由に利用、改変、配布することができます。
  • - コマンドラインインターフェース: `iw`はコマンドラインインターフェースを通じて操作を行うため、スクリプトによる自動化や高度な設定が可能です。
  • - WPA暗号化: WPA（Wi-Fi Protected Access）で暗号化された無線ネットワークに接続する場合は、`wpa_supplicant`という別のソフトウェアが必要になります。`iw`はネットワークの検出やインターフェースの設定を行い、`wpa_supplicant`が認証処理を担当します。

`iw`と`wireless-tools`の比較



`iw`は`wireless-tools`と比較して、以下のような点で改善されています。

  • - より現代的な設計: `iw`は、現在の無線LAN環境に合わせて設計されており、新しい機能や規格に対応しやすくなっています。
  • - より詳細な情報提供: `iw`は、無線インターフェースやネットワークに関するより詳細な情報を取得・表示することができます。
  • - より強力な設定機能: `iw`は、`wireless-tools`よりも多くの設定オプションを提供しており、より柔軟なネットワーク設定が可能です。
  • - メンテナンスの容易性: `iw`は、開発が継続的に行われているため、バグの修正や新機能の追加が迅速に行われています。

`iw`の基本的な使い方



`iw`コマンドは、様々なサブコマンドやオプションを組み合わせて使用します。以下にいくつかの基本的な使用例を示します。

  • - 無線インターフェースの表示:

bash
iw dev


このコマンドは、システムに存在する無線インターフェースの一覧を表示します。

  • - 無線インターフェースのスキャン:

bash
iw dev <インターフェース名> scan


このコマンドは、指定された無線インターフェースで利用可能なアクセスポイントをスキャンします。

  • - 無線インターフェースの接続:

bash
iw dev <インターフェース名> connect


このコマンドは、指定された無線インターフェースを特定のSSIDを持つアクセスポイントに接続します。ただし、WPA暗号化されたネットワークでは、`wpa_supplicant`が別途必要です。

  • - 無線インターフェースの切断:
bash
iw dev <インターフェース名> disconnect

このコマンドは、指定された無線インターフェースを接続先のアクセスポイントから切断します。

他のネットワークツールとの連携



`iw`は単独で利用されるだけでなく、他のネットワーク関連ツールと連携して利用されることもあります。

  • - wpa_supplicant: WPA/WPA2/WPA3暗号化されたネットワークへの接続には、`wpa_supplicant`が必須です。`iw`は、`wpa_supplicant`と連携して認証処理を行います。
  • - iproute2: ネットワークインターフェースの設定やルーティングの設定には、`iproute2`に含まれる`ip`コマンドがよく利用されます。`iw`と組み合わせて利用することで、より高度なネットワーク設定が可能です。
  • - NetworkManager: GUI環境では、`NetworkManager`などのネットワーク管理ツールが、`iw`などのコマンドラインツールをバックエンドで利用して、ネットワーク接続を管理していることが多いです。

まとめ



iwは、現代的な無線LAN環境に対応した強力なコマンドラインツールです。`wireless-tools`からの移行を検討している場合は、`iw`の利用を推奨します。`iw`は、柔軟な設定オプションを提供し、様々な無線ドライバをサポートしているため、より高度な無線LAN設定やトラブルシューティングを行う上で役立ちます。

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