J-Stock銘柄

J-Stock銘柄とは

J-Stock銘柄は、かつて東京証券取引所（旧ジャスダック証券取引所を含む）が運営していたJASDAQ市場に上場していた企業の中から、特定の選定基準を満たした銘柄群を指します。これらの銘柄は、市場を代表する主要企業として位置づけられていました。JASDAQ市場の活性化や投資家への情報提供を目的として導入された制度ですが、市場再編の一環として、2022年4月4日をもって廃止されました。

J-Stock Indexとの関連

J-Stock銘柄は、JASDAQ市場の株価指数である「J-Stock Index」を構成する銘柄群でした。J-Stock Indexは、J-Stock銘柄を対象に、それぞれの銘柄の時価総額を基準とした加重平均方式で算出されていました。この指数は、JASDAQ市場全体の動向、特に中堅・成長企業セクターのパフォーマンスを示す重要な指標の一つとして注目されていました。

銘柄の選定プロセス

J-Stock銘柄およびJ-Stock Indexの構成銘柄は、毎年定期的に見直しが行われていました。選定の対象となるのは、毎年9月の最終営業日を基準日として、その時点でJASDAQ市場に上場している国内企業の株式でした。この基準日における市場データに基づき、毎年11月の最終営業日に選定作業が実施され、新たなJ-Stock銘柄が決定されるとともに、J-Stock Indexを構成する銘柄の入れ替えが行われました。ただし、J-Stock Indexを構成する銘柄数には上限が設けられており、最大で100銘柄までとされていました。制度廃止前、2021年11月30日に行われた最後の定期選定では、76銘柄が選ばれています。

具体的な選定基準

J-Stock銘柄として選ばれるためには、以下の条件を満たす必要がありました。

取引量基準: 基準日前の1年間における売買代金の合計額が、選定対象となるJASDAQ上場銘柄の中で上位200位以内であること。
時価総額基準: 基準日時点での時価総額、または基準日前の6ヶ月間における時価総額の平均額が100億円以上であること。

これらの二つの条件を満たした銘柄の中から、時価総額が大きい順に、上限である100銘柄までがJ-Stock Indexの構成銘柄として選定されました。

新規上場銘柄の特例

新たにJASDAQ市場に上場した銘柄については、選定基準が一部緩和されていました。売買代金については、基準日までの上場期間中の合計額で判断され、時価総額については、基準日時点で200億円以上であることが条件とされました。

また、上記の基準を満たす銘柄数が100に満たなかった場合でも、不足分を補うための追加選定は行われませんでした。

特別な事由による除外

一度J-Stock銘柄に選定された後でも、特定の事由が発生した場合には、構成銘柄から除外される規定がありました。具体的には、証券取引所によって以下のような状況にあると指定された銘柄は、J-Stock銘柄としての適格性を失うとみなされました。

監理銘柄
整理銘柄
特設注意市場銘柄
監視区分銘柄

これらの指定は、企業の経営状態や内部管理体制に重大な問題がある場合に行われるため、そのような銘柄を主要指数に含めないための措置でした。

J-Stock銘柄制度は、かつてJASDAQ市場における主要企業群を示す役割を果たしましたが、東京証券取引所の市場再編に伴い、その歴史に幕を閉じました。

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