J-クレジット

J-クレジット制度とは

J-クレジット制度は、経済産業省、環境省、農林水産省が共同で管理する、国内における温室効果ガスの排出削減量や吸収量を認証する制度です。これは、省エネルギー機器の導入や森林経営といった取り組みによって削減・吸収されたCO2などの温室効果ガスを「クレジット」として国が認証するもので、排出権としても扱われます。

制度の概要

この制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット (J-VER) 制度が発展的に統合されたもので、国が運営しています。創出されたクレジットは、企業の低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなどに活用することが可能です。

J-クレジット利用のメリット

J-クレジットを利用することで、創出者と購入者の双方にメリットがあります。

創出者のメリット

ランニングコストの低減
クレジット売却による収益
地球温暖化対策への取り組みに対するPR効果
新たなネットワークの構築
組織内の意識改革・社内教育

購入者のメリット

環境貢献企業としてのPR効果
企業評価の向上
製品・サービスの差別化
ビジネス機会獲得・ネットワーク構築

クレジットの種類によっては、以下の用途にも活用できます。

温対法・省エネ法での報告
カーボン・オフセットでの活用
CDP質問書、SBT、RE100での報告
SHIFT事業・ASSET事業、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成

J-クレジットの種類

J-クレジットは、登録形態と方法論によって分類されます。

登録形態別

通常型
プログラム型

方法論による分類

2023年3月時点で、合計69種類の方法論が承認されています。

省エネルギー等（42種）
再生可能エネルギー（11種）
工業プロセス（5種）
農業（5種）
廃棄物（3種）
森林（3種）

制度への登録・認証の流れ

1. プロジェクトの計画と登録審査
2. プロジェクト申請書の作成・提出
3. 審査（現地審査を含む）
4. J-クレジット制度認証委員会による認証
5. プロジェクト登録
6. 温室効果ガス削減の実施とモニタリング
7. モニタリング結果の報告とクレジット認証審査
8. モニタリング報告書の作成・提出
9. 検証
10. J-クレジット制度認証委員会による認証
11. クレジットの認証・発行

審査機関

J-クレジット制度では、審査機関がプロジェクト登録の妥当性確認や排出削減・吸収量認証に関する検証を行います。審査機関は、エネルギー (EN)、工業プロセス (IN)、農業 (AG)、廃棄物 (WA)、森林 (FO) の各分野で、制度管理者によって暫定登録されています（2025年3月31日まで）。

その他

J-クレジットは、東京証券取引所カーボン・クレジット市場などの市場で売買できます。

関連情報

経済産業省　J-クレジット制度
環境省　カーボン・オフセット制度

関連項目

温室効果ガス
カーボン・オフセット
カーボン・ニュートラル
カーボンフットプリント
排出権取引

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