JDCシリーズ

JDCシリーズとは

講談社から刊行されている清涼院流水による推理小説のシリーズ作品。JDCとは、Japan Detectives Club（日本探偵倶楽部）の略称で、探偵たちの集団を指します。このシリーズでは、JDCに所属する探偵たちが様々な事件を解決していく様子が描かれています。

シリーズ一覧

コズミック
ジョーカー
カーニバル
彩紋家事件

現在、少なくともあと1作の執筆が予定されており、作中では「四大悲劇」の一つとして紹介されている「双子連続消去事件」が描かれる予定です。

JDC（日本探偵倶楽部）について

概要

JDCは、創設時わずか十数人のメンバーでスタートした小さな探偵事務所でした。1974年に発生した彩紋家事件を契機に、新たな犯罪に対応するため試験制度や編入制度を導入し、350人もの有能な探偵を擁する組織へと成長を遂げました。

1980年の改称当時、アルファベットの名称はまだ珍しく、注目を集めました。1980年代にはJDCが陰で貢献した事件も多く、その功績から法務省により、JDC所属の全探偵に犯罪捜査許可証（通称・ブルーIDカード）が発行されました。ただし、武器の携帯は許可されていません。

高齢者雇用対策も進んでおり、定年後も仕事を続けられる枠が用意されています。また、全ての郵便物に対して爆発物処理班によるX線チェックが義務付けられています。

JDCを舞台にしたテレビドラマも制作されており、探偵・事務職問わず、JDC内で有名になるとプライバシーが侵害されることもあるため、本名を隠す「Dネーム」（探偵としての仮名）の登録が認められています。奇抜な本名やDネームを持つ探偵もおり、「Dネーム」はいつでも変更可能です。

有給休暇を利用して好きな時期に夏休みを取ることができますが、創設記念日である8月9日だけは休暇を取得できません。この日は記念式典への参加が義務付けられており、その代わり翌日8月10日が公休日となっています。

JDCには総代による緊急招集命令があり、これまでに発令されたのは「密室卿事件」と「犯罪オリンピック」の2回のみです。

班制度

JDCに所属する探偵は、第一班から第七班までの7つの班に分けられています。班番号が若いほど有能とされており、2ヶ月に一度の班替えで成績不良者は下位班へ、優秀者は上位班へ移動します。班員の数は均等ではなく、ピラミッド型になっており、第一班は10人を超えることはなく、第七班は常に100人以上が所属しています。

第一班の探偵は世界でも通用するレベルですが、第二班・第三班にも匹敵する推理力の持ち主もいます。第三班以上の探偵は、相互承諾があれば同位または下位班の探偵を助手や相棒にできます。ただし、助手を決める権利は上位班にあり、下位班からの逆指名は認められません。

試験制度

JDCへ入るには、入試をクリアするか、未解決事件の推理を持ち込む飛び級編入システムの2種類があります。持ち込み推理編入制度を利用した場合、第四班から編入となります。入試は年2回、4月と9月に行われ、司法試験並みに難関です。入試合格者は原則として本部ビルに勤務しますが、不合格だった受験者には、希望に応じて最寄りの支部に派遣される救済措置もあります。支部で手柄を重ねれば第七班に昇格できます。

JDC本部

JDC本部は京都市中京区の河原町通と御池通の交差点に位置する8階建てのビルです。1980年頃に国家のバックアップを受けて建設されました。札幌、新潟、横浜、名古屋、神戸、高知、博多の7カ所に支部があります。本部ビルへの入館にはブルーIDカードか取材許可証が必要です。地下駐車場出入り口から通用口まで、24時間体制で厳重な警備が行われています。総代室にはペルシャ絨毯や大理石のテーブルが置かれています。

沿革・関連年表

1973年：新・獄門島殺人事件。JDC創設前、蒼司と蒼神が協力して解決。
1974年：8月9日、私立探偵鴉城蒼司が日本探偵倶楽部を創設。この日は「四苦八苦の日」と呼ばれる。
1977年：彩紋家事件が発生。彩紋家の縁者たちが毎月19日に怪死を遂げる。
1979年：彩紋家殺人事件発生。「白夜叉」と名乗る犯人により、19人が奇術の道具を使って殺害された事件。
1980年：鴉城蒼司が当時6歳の彩紋十九（後の九十九十九）の協力を得て彩紋家事件を解決。「日本探偵倶楽部」から「JDC」へ改称。
1989年：「殺人ピエロ」事件。龍宮城之介が解決。
1990年：法務省より犯罪捜査許可証（通称・ブルーIDカード）が発行。
1993年：幻影城で連続殺人事件が発生。アメリカから帰国した九十九十九が解決。
1994年：「密室卿」事件が発生。九十九十九が「連続切り裂き殺人事件」と同時に解決。
1996年：ブルーIDカード導入後初の不祥事が発生。JDC本部ビル爆発、倒壊。

用語

L犯罪（エルはんざい）: 巨大(large)、施錠(lock)、迷宮(labyrynth)の頭文字とされる。残虐性が高く、一般大衆に悪影響を与える恐れのある凶悪事件を指す超法規的制度。日本政府が1970年に導入。
鴉城家殺人事件: 1970年に起きた事件で、蒼司が日本探偵倶楽部創立を決意するきっかけとなった事件。日本で初めてL犯罪に認定。

四大悲劇

彩紋家事件
幻影城殺人事件
連続密室殺人事件
双子連続消失事件

DOLL（国際立法探偵機構）

250年以上の歴史を持つ世界最古の探偵組織。JDCも統括下に置かれています。DOLLのコンピューターには、組織に属する全探偵の個人情報や事件の詳細が記録されています。探偵は能力に応じてA〜Kのランクに分けられ、Sランクが最上位。DOLL本部はパリのボージュ広場にあります。

既刊一覧

小説、文庫、漫画、トリビュート作品など多岐にわたる。

上記以外にも、木村彰一シリーズにおいて一部登場人物がカメオ出演しているなど、様々な関連作品が存在します。

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