JR東日本労働組合

JR東日本労働組合：少数派組合の歩みとJR連合との関係

JR東日本労働組合（略称：東日本ユニオン）は、東日本旅客鉄道株式会社（JR東日本）の社員によって組織された労働組合です。国鉄分割民営化後、旧国鉄の鉄道労働組合（鉄労）の影響力が強かった地域を中心に結成され、JR東日本の労働組合の中では少数派、いわば非主流派の立場にあります。

組合の成り立ちには複雑な経緯があります。複数の前身組織を経て、2004年にはJR東日本労組とJR東日本ユニオンが統合し、ジェイアール東日本労働組合（JR東新労）として発足しました。その後、2013年にはジェイアール東日本労働組合（ジェイアール東日本ユニオン）とジェイアール労働組合（JR労組）が統合、現在のJR東日本労働組合が誕生しました。

しかし、この統合は円滑に進むわけではありませんでした。統合に反対する組合員による大量脱退が発生し、組合員数は1200人弱にまで激減。組織は大きな混乱に陥りました。中には、新たな労働組合を結成し、JR連合への加盟を模索する動きもありました。

JR連合（日本鉄道労働組合連合会）は、日本の主要な鉄道労働組合が加盟する連合組織です。東日本ユニオンは当初、JR連合への加盟を申請していましたが、統合を巡る混乱と、JR連合による委員長への制裁、加盟申請保留といった出来事が重なり、関係は複雑な状況に陥りました。

組織の融和を目指し、2015年にはJR連合への正加盟を再申請しましたが、残念ながら受け入れられませんでした。JR連合は、東日本ユニオンの加盟を認めなかった理由について、「排除の論理ではないが、判断材料に乏しく、民主化共闘会議の中で共闘を進めることを優先すべき」と説明しています。これを受け、東日本ユニオンはJR連合との関係を一旦白紙に戻すことを決定しました。

翌2016年、JR連合は東日本ユニオンからの脱退届を正式に受理。同時に提出された正加盟申請は保留とされました。この経緯から、現在、東日本ユニオンはJR連合とは無関係な状態にあります。

JR東日本労働組合の現在の組織規模は、組合員数約746名、12の地方本部から構成されています。地方本部は、新潟、長野、八王子、横浜、東京、大宮、千葉、水戸、高崎、仙台、秋田、盛岡の各JR東日本支社エリアに設置されています。

JR東日本労働組合は、JR東日本の多数派組合である東日本旅客鉄道労働組合（JR総連傘下）とは異なる立場を堅持し、独自の活動を続けています。その活動内容は、JR東日本の労働条件改善や社員の権利擁護、そして、鉄道業界全体の健全な発展に貢献することを目指していると言えるでしょう。今後も、JR東日本労働組合の動向は、JR東日本の労働関係のみならず、日本の鉄道業界全体の動向にも影響を与える可能性があります。

もう一度検索