JRR-3

JRR-3（Japan Research Reactor No. 3）

JRR-3は、日本原子力研究開発機構に属する研究用原子炉であり、原子力科学研究所に位置しています。この施設は、主に中性子を利用した科学研究や産業利用のために設計されています。

概要

JRR-3は、日本初の国産研究炉として知られ、元々は1962年の9月に初臨界を達成しました。当初の炉は heavy water（重水）を用いた減速・冷却方式で、熱出力は10メガワットでした。その後、1990年3月に改造を経て新JRR-3が完成し、此の新しい炉は軽水を用いた減速・冷却方式を採用し、熱出力は20メガワットに増強されました。この変更は、単なる改造というよりも、炉心ユニットの完全な交換作業であり、従来の炉を撤去した後、敷地内の地下保管庫に移設することによって実現されました。

施設の特徴

JRR-3には、さまざまな実験装置が整備されており、東京大学物性研究所および日本原子力研究開発機構が所有する多くの機器が設置されています。この原子炉は、炉室に加えて中性子導管を使用したガイドホールと呼ばれる広い実験用スペースを持っています。ガイドホールは原子炉建屋に隣接しており、研究者が効率よく中性子を利用した様々な実験を行うことができます。

さらに、JRR-3には中性子の照射設備も備わっており、この照射機能は半導体の製造プロセスや放射性同位体（RI）の製造など多岐にわたる業務に利用されています。これにより、研究者は物質の特性を解明するための高度な実験を行うことができ、さらにその成果が産業界においても応用されています。

応用分野

中性子を利用した技術は、さまざまな分野での研究において重要な役割を果たしています。特に、中性子回折や中性子捕捉療法などの技術は、材料科学や医学、放射線治療において注目されています。JRR-3が提供する中性子は、これらの研究や応用にとって欠かせない資源となっており、日本国内外の研究者にとって重要な拠点となっています。

関連項目

• - 日本の原子力政策
• - 研究用原子炉
• - 中性子回折
• - 中性子捕捉療法

外部リンク

• - 日本原子力研究開発機構 JRR-3
• - 日本原子力研究開発機構 JRR-3ユーザーオフィス
• - 日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 物質科学研究センター
• - 東京大学物性研究所 附属中性子科学研究施設

JRR-3はその独自の研究機能と中性子応用技術により、日本の原子力研究の最前線を支え続けています。

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