JUVENILEのテーマ〜瞳の中のRAINBOW〜

山下達郎のシングル「JUVENILEのテーマ～瞳の中のRAINBOW～」：2000年の名曲

2000年7月12日、山下達郎の34枚目のシングル「JUVENILEのテーマ～瞳の中のRAINBOW～」がリリースされました。この曲は、同年に公開された映画『ジュブナイル』の主題歌として書き下ろされた作品です。

山下達郎自身、この楽曲について作曲、編曲共に内向的なアプローチをとったと語っており、当時の一般的なシングル曲の尺度からすると、やや異例な作品と言えるでしょう。しかし、山下達郎は、このような内省的な楽曲こそ、自分にとって愛着の深いものになるとも述べています。

オリジナルのマスターテープの状態があまり良くなかったため、後にベストアルバム『RARITIES』に収録される際に、リズムパターンが変更され、楽器の音もほぼ全て録り直されました。しかし、歌声に関しては、あの独特のささやくようなニュアンスを再現することは不可能だと判断され、オリジナルの歌声がそのまま使用されています。

楽曲のイメージについて、山下達郎は自身のラジオ番組で、「日本の海水浴場には必ず砂浜に通じる道がある。この曲のイメージは、千葉の岩井や富浦あたりの海水浴場で、海に向かって歩いていくようなイメージだ」と語っています。この言葉から、楽曲が持つ静かでノスタルジックな雰囲気を想像することができます。

カップリング曲として収録されているのは、「アトムの子 (Live Version)」です。これは、アルバム『ARTISAN』に収録されている楽曲のライブバージョンで、コンサートツアー“PERFORMANCE '91-'92”の音源が使用されています。長らくアルバム未収録でしたが、後に『Ray Of Hope』の初回限定盤に付属のボーナスCD『Joy 1.5』に収録されました。

シングル「JUVENILEのテーマ～瞳の中のRAINBOW～」のジャケットとCDレーベルには、ロボットの“テトラ”がデザインされています。このロボットのデザインも、楽曲の世界観を象徴する重要な要素となっています。

このシングルは、山下達郎の音楽性における多様性と、内省的な楽曲に対する深い愛情を感じさせる作品です。映画『ジュブナイル』の世界観と見事に融合した、名曲と言えるでしょう。その独特の雰囲気と、山下達郎の繊細な表現力は、多くのリスナーの心に響き渡り、現在もなお高い評価を得ています。 シングルリリースから年月が経った現在でも、この曲は多くのファンに愛され続けているのです。楽曲の持つ繊細さ、そして映画との繋がり、そして山下達郎のこだわりが凝縮された、まさに珠玉の一曲と言えるでしょう。

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