J/APG-1

J/APG-1: F-2戦闘機用火器管制レーダー

J/APG-1は、三菱電機が日本のF-2戦闘機向けに設計した火器管制レーダーです。このレーダーはアクティブ・フェーズドアレイ（AESA）技術を用いており、量産型としては世界初のAESAレーダーとして広く認識されています。供給価格は約7億8,000万円となっており、その性能と最新技術は注目に値します。

主な特徴

J/APG-1の中心的な特徴は、約70cmの直径を持つアンテナブロックに800個のアンテナモジュールが組み込まれている点です。この構造により、長距離かつ広範囲の捜索能力が実現され、複数の目標を同時に捉えることが可能です。特に電子妨害の耐性に優れており、従来の機械式レーダーと比較して明らかに向上した性能を発揮します。

さらに、J/APG-1はルックダウン・シュートダウン能力を具備し、10機以上の空中目標を追尾しつつ、対地および水上の目標も同時に捜索することができます。このような能力により、高機動での飛行時でもレーダーの故障を避けるための設計が施されています。

機能と動作モード

J/APG-1は、空対空、ドッグファイト、ミサイルオーバーライド、空対地射撃、航法の5つの主要なモードを備えています。それぞれのモードにはサブモードも存在し、特に空対地モードにおいては高精度なマッピング機能が強調されています。各モードに合わせて、柔軟な運用が行えるように設計されています。

• - 空対空モード: 中・短射程ミサイルの運用が可能であり、高精度な目標監視が特徴です。
• - 空対艦モード: 空対地射撃機能の一部として、空対艦ミサイルを運用可能です。
• - 空対地射撃モード: 様々な爆弾投下用モードがあり、自動による投下もサポートされています。
• - 航法モード: 地図情報を基にした地上のマッピングと回避機能を有しています。

開発の経緯

J/APG-1の開発は1982年から始まり、1986年には基本設計が完成しました。その後、C-1輸送機に搭載して実機試験が行われ、1995年にはF-2試作機が登場し、1999年には初めて量産機が飛行しました。しかし、起動時にはレーダーの探知距離の問題が診断されましたが、これは機体とのマッチングの不備によるものであり、適切な対策が施されました。

J/APG-2の開発

J/APG-1はその後の改良によりJ/APG-2へと進化しました。特に「アクティブ・電波・ホーミング・ミサイル搭載に関する研究」に基づいた改修が行われ、探知能力や対処能力の向上が図られました。これにより、F-2の空対空戦闘能力は大きく強化されています。たとえば、能力向上のための新しいソフトウェアや機器の追加が行われ、その結果、探知距離は他の戦闘機に対しても優位性を持つと言われています。

結論

J/APG-1は、高度な技術力と多機能性を兼ね備えた日本の戦闘機システムにおいて欠かせない要素です。その進化は今後の航空自衛隊における戦闘能力の向上に大きく貢献することが期待されています。

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