K.O.SEN

K.O.SEN

『K.O.SEN』（キック アウト セン）は、村瀬克俊によって『週刊少年ジャンプ』で連載されたキックボクシング漫画です。作者初の連載作品であり、スポーツ漫画が減少傾向にあった当時、新たな風を吹き込むことが期待されましたが、残念ながら読者の支持を得られず、短期打ち切りという結果に終わりました。

あらすじ

物語の主人公は、亡き父譲りの赤い髪と、常人離れした頑丈さを持つ中学3年生、飛嶋閃（とびしま せん）。成績は常に赤点、将来の夢もなく、無茶な行動ばかりを繰り返す日々を送っていました。そんな閃を見かねた母親と祖母は、かつて不良だった父を更生させたキックボクシングジムの会長・桜和田のもとへ、夏休みの間、彼を預けることにします。

最初は反発していた閃でしたが、父を理解していた会長との出会いや、キックボクシングそのものに次第に興味を持つようになります。ジムでの出会いを通して、閃は自身の秘めた才能を開花させていくことになります。

登場人物

飛嶋 閃（とびしま せん）: 主人公。赤い髪が特徴で、並外れた頑丈さを持つ少年。無鉄砲な性格で、周囲を騒がせることもしばしば。亡き父を深く尊敬しており、「男と男の約束」という言葉を大切にしています。キックボクシングとの出会いをきっかけに、大きく成長していきます。
飛嶋 堅（とびしま けん）: 閃の父。故人。かつては不良でしたが、桜和田会長との出会いによって更生。閃に大きな影響を与えた存在です。不慮の事故で亡くなってしまいますが、その生き方は閃の心に深く刻まれています。
桜和田 源矢（さくらわだ げんや）: キックボクシングジムの会長。かつて閃の父・堅を更生させた人物。選手の才能を見抜く力に長けており、閃の潜在能力にもいち早く気づきます。厳しくも温かい指導で、閃を成長させていきます。
桜和田 鈴（さくらわだ すず）: 会長の孫娘で、閃と同い年。ジムの家事を手伝いながら、閃の成長を見守ります。勝気な性格で、閃と衝突することもありますが、お互いを認め合い、友情を育んでいきます。
澤橋 孝紀（さわはし こうき）: ジム所属の選手。先輩として閃に厳しく接しますが、その実力は認めています。青藤和真に対して強いコンプレックスを抱いています。
百瀬 龍生（ももせ たつお）: ジム所属のプロ選手。日本のチャンピオン。矢吹丈を意識した髪型が特徴。いたずら好きな性格で、閃をからかうこともしばしば。試合では実力を発揮しきれない一面も。
青藤 和真（せいどう かずま）: 天才的な格闘センスを持つ少年。かつては会長の門下生でしたが、現在はジムを離れています。冷静沈着な性格で、周囲を寄せ付けない雰囲気をまとっています。必殺技は「七色キック」、「リング上のマタドール」、「死神の大鎌」。

その他

単行本には、以下の短編作品も収録されています。

ナックモエ: ムエタイを題材とした作品。
Kick!コータ!!: キックボクシングをテーマにした格闘[[漫画]]。
福輪術-ふくわじゅつ-: 不思議な力を持つ男を主人公としたファンタジー作品。

『K.O.SEN』は、打ち切りという形で幕を閉じましたが、主人公・閃の成長や、個性豊かなキャラクターたちの織りなす人間ドラマは、読者の心に深く刻まれました。作者の村瀬克俊は、その後も様々な作品で活躍しています。

もう一度検索