K.P.シャルマ・オリ

カドガ・プラサード・シャルマ・オリ（Khadga Prasad Sharma Oli）は、ネパールの政治家であり、同国首相を三度務めるなど、ネパール政治において重要な役割を果たしてきました。彼は、ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派（統一共産党）の常任委員であり、過去には副首相や外務大臣を歴任しています。その政治的キャリアは、ネパールの現代政治の激動を象徴しており、その行動は常に国内外の注目を集めています。

オリは、1970年代のジャパ郡武装蜂起に参加した経験を持ち、その後、チャンドラ・プラカシュ・マイナリらとともにネパール共産党マルクス・レーニン主義派を結成。さらに1991年には、統一共産党の結成に参加しました。2009年には統一共産党の議長選に出馬しますが、ジャラ・ナート・カナールに敗れます。しかし、2014年に党議長に就任し、政治家としての地位を確立しました。

2015年、オリは制憲議会での首相選挙で勝利し、初めて首相に就任しました。しかし、2016年には議会で不信任決議案が採択される前に辞任を表明。その後、2017年の総選挙で統一共産党を第一党に導き、2018年に二度目の首相に就任します。この間、彼は親国王派や反マオイストとしての立場も示し、カナールとの対立は激化していきました。

オリの首相としての在任期間は、決して平坦な道ではありませんでした。2020年には、下院を解散するという大胆な行動に出ますが、翌年、最高裁判所により越権行為と判断され、解散は無効となりました。さらに、議会での首相信任投票で否決され、不信任となります。しかし、野党が連立政権を樹立できなかったため、大統領より再び首相に任命されるという異例の展開となりました。しかし、最高裁判所は非国会議員の大臣任命を違憲と判断し、内閣は混乱に見舞われました。

2021年には、議会を解散し総選挙を行うも、野党からの働きかけにより、最高裁は下院解散を無効と判断。オリ政権は終焉を迎えます。2022年の総選挙後、プラチャンダとの連立で首相の座を交互に務めることになり、プラチャンダが先に首相に就任。しかし、プラチャンダが統一共産党ではなく、野党の大統領候補を支持したことで、統一共産党は閣僚を引き上げ、連立は解消されました。

2024年、オリはプラチャンダと再び同盟を締結し政権に復帰しますが、両者の対立は激化。プラチャンダに辞任を要求しますが、拒否されたため統一共産党は閣僚を引き上げ、連立政権は事実上崩壊。その後の議会での信任決議案も否決され、不信任が成立します。そして、議会の意向を踏まえ、オリは再び首相に任命され、現在に至ります。このように、オリの政治キャリアは、権力闘争と政権交代が繰り返される、複雑なネパール政治を体現しています。

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