KCipher-2

KCipher-2（ケーサイファーツー）は、2007年に九州大学とKDDI研究所によって共同開発されたストリーム暗号です。開発当初は、両機関の頭文字である「K」を2つ重ねた「K2」という名称で呼ばれていました。この名称は、カラコルム山脈に位置する世界で2番目に高い山であるK2にも由来しています。その後、商標登録を行う際に、暗号を意味する英語の「Cipher」を加えて、現在の「KCipher-2」という名称になりました。

KCipher-2は、128ビットの鍵長と128ビットの初期ベクトル長を持ちます。この組み合わせにより、高いセキュリティ強度を実現しています。ストリーム暗号は、平文データと暗号化鍵から生成される擬似乱数列を組み合わせて暗号化を行う方式です。KCipher-2は、この方式を採用することで、高速な暗号化処理を可能にしています。

この暗号は、国際標準規格であるISO/IEC 18033|ISO_IEC 18033に標準暗号として採用されており、その信頼性が国際的に認められています。また、2013年には、日本の電子政府推奨暗号リストにも掲載されました。このリストは、日本の政府機関が情報システムで利用する暗号技術の安全性を評価し、推奨するものです。KCipher-2がこのリストに掲載されたことは、そのセキュリティの高さと実用性を裏付けています。

KCipher-2は、その開発以来、さまざまな分野で利用されており、その実績と信頼性から、重要な情報の保護に役立っています。ストリーム暗号としての特徴から、リアルタイム性が要求される通信や、大量のデータを扱う場合に特に有効です。また、ソフトウェアでの実装も容易であり、さまざまなプラットフォームで利用できます。

KCipher-2は、暗号技術の発展に貢献しており、今後の情報セキュリティを支える上で重要な役割を果たすと考えられます。その設計と実装の詳細については、関連する技術文書や研究論文で確認できます。また、暗号技術の進歩に伴い、KCipher-2も常に評価され、必要に応じて更新される可能性があります。


関連事項:

擬似乱数
擬似乱数は、暗号技術において重要な役割を果たす技術です。KCipher-2のようなストリーム暗号では、暗号化鍵に基づいて生成された擬似乱数列が平文データと組み合わされ、暗号文が生成されます。
共通鍵暗号
共通鍵暗号は、暗号化と復号に同じ鍵を使用する暗号方式です。KCipher-2もこの方式に属しており、効率的な暗号化処理が可能です。


外部リンク:

KCipher-2 製品概要
RFC7008 A Description of the KCipher-2 Encryption Algorithm

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