KDEディスプレイマネージャ

KDE ディスプレイマネージャ（KDM）は、Unix系オペレーティングシステム（OS）で利用されるグラフィカルログインインタフェースです。X Window System の標準である X ディスプレイマネージャ (XDM) を、KDE Software Compilation (KDE SC) 環境下で置き換える役割を担っています。KDM の導入により、ユーザはログイン時に利用するセッションの種類を自由に選択できます。

KDE SC と同様に、KDM は Qt ツールキットを利用して開発されています。KDE 3 時代には KDE コントロールセンターから、KDE SC 4 以降では KDE システム設定から、詳細な設定を行うことができます。これらの設定ツールを通じて、ログイン画面のテーマやユーザのアイコン画像をカスタマイズすることが可能です。

KDM のログインダイアログボックスは、シンプルながらも機能的です。画面左側にはユーザの一覧が表示され、各ユーザのユーザ名、オプションとして「実名」、そしてユーザまたは管理者が選択した小さな写真が表示されます。右側には、挨拶のメッセージと大きな写真が表示され、これらの要素も KDE コントロールセンター を使用してカスタマイズできます。また、ユーザは表示される写真をアナログ時計に切り替えることも可能です。写真や時計の下には、ユーザ名とパスワードを入力するためのテキストボックスが配置されています。

一部のシステムでは、パスワード入力欄の下にセッションを選択するための箇所があります。ここでは、KDE、GNOME、シンプルなターミナルなど、ログイン後に起動するセッションの種類を選択できます。画面最下部には、コンピュータのシャットダウン、再起動、X サーバの再起動、またはユーザ管理ツールを起動するためのボタンが配置されています。

KDM は、オプションとして自動ログイン機能も提供しています。この機能は、利便性が高い一方でセキュリティリスクを伴うため、注意が必要です。自動ログインを有効にすると、システム起動時にユーザがパスワードを入力することなく自動的にログインできますが、セキュリティ上の脆弱性を生む可能性があるため、利用には慎重な判断が求められます。

関連項目

GNOME ディスプレイマネージャー
SLiM : デスクトップ環境に依存しない軽量なグラフィカルログインマネージャ

外部リンク

kdm ハンドブック
KDM テーマ (Kde-look.org)

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