KEY THE METAL IDOL

概要

『KEY THE METAL IDOL』は、1994年から1997年にかけて全15話がリリースされたOVA作品で、ポニーキャニオンのOVA製作10周年を祝う記念作です。各巻はVHS形式でリリースされ、1巻に25分のエピソードが収録されています。発売初年度には、最初の1巻は特別価格の1000円で販売されましたが、その後の巻は徐々に価格が上昇し、やがて全巻の価格帯は6000〜7000円になりました。この作品はその独特なストーリー展開とキャラクターたちの魅力で多くのファンを惹きつけました。

あらすじ

物語は、山間の小村である猯尾谷を舞台に進行します。主人公の巳真兎季子（通称「キィ」）は、17歳の少女であり自分がロボットであると無邪気に信じています。彼女は祖父・武羅尾が生み出した存在で、彼の突然の死後、「友を3万人集めれば人間になれる」との遺言を果たすため、東京へ旅立つ決意をします。東京に向かう途中で、彼女は幼馴染の厨川さくらと再会し、アイドルとしての道を歩むことを決意します。

キィの成長過程での友情や自己発見の物語が描かれる一方で、彼女の周りでは奇怪な事件が次々と発生します。例えば、夜の街に現れるロボットや、PCスピーカーから流れる謎の歌などです。これらの事件の背後には、巨大軍事企業を率いる蛙杖仁策が存在し、彼の野望によって物語はさらに複雑化していきます。

登場人物

『KEY THE METAL IDOL』にはさまざまなキャラクターが登場し、それぞれが物語に重要な役割を果たします。

• - 巳真兎季子（キィ）：主役で、無邪気で感情の乏しい少女ロボット。彼女の内面の成長と人間らしさの獲得が物語の主要テーマです。
• - 厨川さくら：キィの親友であり、彼女の支えとなる存在。彼女の情熱と行動力が物語を盛り上げます。
• - 三和土州一：熱狂的なファンであり、キィの運命に深く関わるキャラクター。彼の成長とキィへの思いが物語に彩りを加えます。
• - 若木知葉：キィの保護者的存在で、その戦闘力と知識で彼女を助けます。

用語解説

• - 猯尾谷：物語の舞台となる村で、独自の文化と伝説が息づいています。
• - PPOR（サイコロジカル・パワー・オペレイテッド・ロボット）：アジョー重工製の人型ロボットであり、物語の中心的な技術です。
• - ゲル：人間の「思い」を物質化したもの。キィの運動エネルギー源となる。
• - アジョー重工：物語に登場する巨大企業で、武羅尾と深い因縁を持つ。

制作情報

本作は原作・監督・脚本を佐藤博暉が手がけ、ポニーキャニオンが制作を行いました。OVAの成功を受け、その後もCDや関連商品がリリースされ、ラジオドラマシリーズも展開されました。音楽も特徴的で、キャラクターに寄り添った楽曲が多数存在します。

『KEY THE METAL IDOL』は、ただのエンターテイメントにとどまらず、友情、成長、戦い、人間らしさの探求を描いた深い作品として、多くのファンに愛されてきました。

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