KICK OFF (おニャン子クラブのアルバム)

おニャン子クラブの記念すべきデビューアルバム『KICK OFF』

1985年、日本の音楽シーンに旋風を巻き起こしたアイドルグループ、おニャン子クラブ。彼女たちの音楽活動を象徴する作品として、1985年9月21日にリリースされた記念すべき初のオリジナルアルバム『KICK OFF』（キック・オフ）があります。発売元はキャニオン・レコードです。

このアルバムには、おニャン子クラブを代表する大ヒット曲「セーラー服を脱がさないで」が収録されており、その年の年間アルバムチャートで41位を記録するなど、大きな成功を収めました。さらに、アルバムチャート100位以内には30週もランクインし、おニャン子クラブのオリジナルアルバムの中でも、最もロングセラーとなった作品です。

『KICK OFF』の最大の特徴は、楽曲の構成にあります。全11曲中、5曲のメインボーカルを務めたのは、「セーラー服を脱がさないで」でもメインボーカルを担当した新田恵利、中島美春、福永恵規、内海和子の4人です。さらに、この4人に2人が加わった6人編成で歌われた楽曲もあります。残りの楽曲にも、この4人のいずれかがメインボーカルとして参加しています。

アルバムのアートワークも、この4人を前面に押し出した構成となっており、ジャケット写真では、4人が胸元に会員番号が記されたラガーシャツを着用しています。予約特典として、このラガーシャツのポスターが配布され、当時大きな話題となりました。

楽曲の作詞は全て秋元康氏によるものですが、作曲や編曲は複数の作曲家・編曲家が担当しており、それぞれの楽曲に個性を与えています。例えば、「セーラー服を脱がさないで」や「早すぎる世代」は佐藤準氏が編曲を担当し、アップテンポでキャッチーなサウンドに仕上がっています。一方、「いじわるねDarlin'」や「FENを聴かせて」は山川恵津子氏が編曲を担当し、より繊細でメロディアスなアレンジとなっています。

『KICK OFF』には、おニャン子クラブの多彩な魅力が凝縮されています。メンバーそれぞれの歌声が織りなすハーモニー、そして、それぞれの楽曲に込められた個性的なサウンド。このアルバムは、おニャン子クラブというアイドルグループが、単なるアイドルの枠を超えた音楽性を持ち合わせていたことを証明する、重要な作品と言えるでしょう。

その後、おニャン子クラブは数々のヒット曲をリリースし続け、日本の音楽史に大きな足跡を残しました。『KICK OFF』はその出発点であり、彼女たちの輝かしいキャリアの始まりを告げる、記念碑的な一枚です。このアルバムを聴けば、1980年代のアイドルシーンの熱気と、おニャン子クラブの圧倒的な人気を改めて実感できるでしょう。

また、このアルバムは、関連作品である『スーパーベスト』、『NON-STOP おニャン子』、『おニャン子クラブ ベスト』、『家宝』、『MYこれ!クション おニャン子クラブBEST』、『「おニャン子クラブ」SINGLESコンプリート』、『おニャン子クラブ大全集 for HiQualityCD 上・下巻 限定CD-BOX』など、数多くのベストアルバムやコンプリートアルバムにも収録されており、その人気と影響力の大きさを示しています。

さらに、おニャン子クラブを語る上で欠かせないテレビ番組『夕やけニャンニャン』や、1985年の音楽シーンとの関連性も理解することで、『KICK OFF』というアルバムの持つ意味をより深く理解できるでしょう。

もう一度検索