KJ14 (エンジン)

KJ14 ターボジェットエンジンの概要

KJ14は、川崎重工業によって設計及び製造された小型ターボジェットエンジンであり、主に航空自衛隊の訓練用および陸上自衛隊の対空射撃訓練のために使用されています。このエンジンは、空対空用の小型標的機や、陸上自衛隊の対空射撃用標的に搭載されることを目的としています。

背景

小型無人航空機（UAV）や標的機に搭載される小型ジェットエンジンの必要性は以前からありました。しかし、KJ14が開発されるまでは、日本国内で実用的な小型ジェットエンジンは存在せず、海外からの輸入に依存することが多く、そのためコストが非常に高くなりがちでした。また、ホビー向けのラジコン航空機用エンジンは存在していましたが、これらは遊び用のものであり、低空での使用に限られていました。

KJ14の特長

KJ14の最大の特長は、小型・軽量・低価格に加え、高空での性能や着火性についても高い要求を満たすように設計されている点です。部品数の削減や安価な民生用材料を使用することで、コストの低減を実現しています。このエンジンには、推力を向上させたKJ100という型も存在します。

設計

KJ14は、モノローター方式により設計されており、コンプレッサーとタービンが一体化しています。エンジンのローターは精密鋳造によって製造され、コンプレッサーには遠心式圧縮機が、タービンにはラジアルタービンが用いられています。圧縮された空気はエンジンの外周部を通り、タービンの後方に配された反転式燃焼器に送られます。この燃焼ガスが前方に向かい、ラジアルタービンを駆動してジェット噴射を行うことで推力を生成します。さらに、軸受けはグリス封入式でオイル冷却系を持たず、始動装置はなく、風圧によってタービンが起動します。点火方式はカートリッジ式であり、これらの工夫によって軽量化と簡素化が徹底されています。

仕様

KJ14の技術仕様は以下の通りです：

• - 形式: 1軸ターボジェットエンジン
• - 推力: 70 kgf (0.69kN) (地上静止時)
• - 乾燥重量: 16 kg
• - 最大外径: 200 mm
• - 全長: 450 mm

これらの特性により、KJ14はさまざまな訓練シナリオに対応可能な高性能エンジンとして位置付けられています。

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