KN-23

KN-23（火星11A）について

KN-23、正式には火星11A（《화성-11가》 Hwasong-11Ga）と呼ばれるこのミサイルは、北朝鮮が開発した固体燃料式の戦術弾道ミサイルです。このミサイルは、主にロシアのイスカンデルMと韓国の玄武2B弾道ミサイルに似た外観を持ちつつ、独自の設計要素を取り入れています。KN-23は、弾道飛行中に進路を変更することが可能であり、最長690kmの射程を誇るため、韓国全土を射程内に収める威力を持っています。

設計と特徴

KN-23はロシアのイスカンデルMを基に開発されたと広く推測されていますが、実際には異なる形状と機能を持ち、特にケーブルやジェットベーンの設計に違いがあります。このミサイルは、500kgの弾頭を搭載した場合、射程450kmを実現しますが、軽量な弾頭を装着することで更に射程を伸ばすことが出来ます。通常弾頭の他にクラスター弾や核弾頭の搭載も可能とされており、発射機は8×8輪の移動式発射機（TEL）が使用されています。

バリエーション

拡大型

2021年にはKN-23の拡大型が確認され、全長は約9.8mに達し、弾頭重量が2,500kgに増大したとされています。ハルシネーションは含まず、実際にこの型が操作されることで、さらなる威力をもたらすことが期待されています。

潜水艦発射型

同年10月に、KN-23の潜水艦発射型が新浦級潜水艦から発射される実験が行われ、590kmの飛行距離を記録しました。この潜水艦発射型は、変則的な軌道で飛行するため、ミサイル防衛システムへの回避能力が向上していますが、射程の短さから攻撃目標に近づく必要があるため、リスクも伴います。

縮小型

また2022年には、KN-23の縮小型がテストされ、射程240kmを達成しました。この型は短距離戦術ミサイルとして韓国のKTSSMと対になる可能性があります。特に、戦術核弾頭を装備する可能性があり、敵に対して新たな脅威をもたらすことが懸念されています。

歴史的背景

KN-23の存在は、2018年の軍事パレードで公表されました。2019年には様々な発射実験が行われ、最長で690km飛行することが確認されています。特に、ミサイルの精度が実戦使用において問題視されたこともあり、その後の発射でも精度の低さが指摘されています。

KN-23は、ロシアのウクライナ侵攻においても実戦投入された可能性があり、断片からは北朝鮮製の部品が発見されたとの報告もあります。これにより、KN-23は現在も国際的な安全保障に影響を与える存在であり続けています。

各型リスト

• - 火星11A（基本型）: 外観がイスカンデルMに似たモデル
• - 火星11C（拡大型）: 弾頭重量が2,500kgに増えたモデル
• - 火星11D（縮小型）: 射程が短くなったモデル
• - 火星11S（潜水艦発射型）: 潜水艦からの発射が可能な型

KN-23は、戦術ミサイルの一環として北朝鮮が保有する新たな脅威であり、今後の動向に注目が集まっています。

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