KN-24

KN-24（火星砲-11B）

KN-24、またの名を火星砲-11Bは、北朝鮮が開発した固体燃料式の戦術弾道ミサイルです。このミサイルは、複雑な航路を取りながら低空を飛行する特性を持ち、従来のミサイル防衛システムに対して有効性を高めています。

設計と特徴

KN-24はその外見がアメリカのMGM-140 ATACMS|MGM-140_ATACMSに似ているものの、実際には構造や運用目的において重要な違いがあります。特にKN-24は固定式の操舵翼を採用しており、衝突時にはロケットモーターと弾頭が一体となって目標に向かいます。この性能により、着弾精度が高く、従来のミサイルよりも少ない発射数でのターゲット破壊が可能になっています。

このミサイルは準弾道軌道を飛行し、サイドの操舵翼によって進路を変更できるため、複雑な軌道を描いての攻撃が可能です。これにより、従来の弾道ミサイルよりも探知や迎撃が難しくなっています。着弾精度は、衛星誘導を使用した際でおおよそ100メートル、慣性航法装置（INS）のみを使用した場合では200メートルとされています。

また、KN-24は400～500kgの弾頭を搭載でき、クラスター弾を含むさまざまな弾頭構成が考えられています。このような特性から、このミサイルは北朝鮮が従来持っていた液体燃料ミサイルを置き換えることが期待されているのです。

開発と技術的要素

KN-24の開発には、潜水艦発射弾道ミサイルである北極星1号（KN-11）の影響が見受けられます。外観や発射方式がATACMSを模倣しているように見えるものの、技術的な要素はむしろロシアのイスカンデルMからの技術導入の可能性があるとされています。このため、北朝鮮におけるミサイル技術の進化が伺えます。

発射実験と実績

KN-24の最初の発射は2019年8月に行われ、その後も数回の発射実験を経て性能検証が行われました。特に、2022年1月に行われた発射は「検収射撃試験」としてその運用体制と性能を確認する目的があったとされています。

実戦投入

KN-24は2023年にロシアのウクライナ侵攻において初めて実戦に投入されたとされています。アメリカの機密情報によると、北朝鮮からロシアに複数の弾道ミサイルが引き渡され、KN-24が使用されたとのことです。しかし、報告されているように、その精度には問題があるとされ、模倣品の部品が関与している可能性が指摘されています。

結論

KN-24は、北朝鮮の戦術ミサイル体系の中で重要な位置を占めている可能性が高いです。その高い着弾精度と複雑な航路により、現代の戦争におけるミサイル戦力の構築に寄与しています。今後もこのミサイルの性能向上や運用が注目されるでしょう。

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