KN-25

KN-25（600mm超大型放射砲）

KN-25は北朝鮮が開発した戦術弾道ミサイルで、同国では「超大型放射砲」との名称で呼ばれています。このミサイルは、直径600mm、全長8.2m、全重3000kgであり、射程は約380kmとされています。一般的には短距離弾道ミサイル（SRBM）として分類されていますが、北朝鮮の定義に従うと、これは多連装ロケット砲のカテゴリーに属するとの主張があります。

設計と特徴

KN-25の設計は、他の国のミサイル、特にイランのファテフ110に似ています。7枚の安定翼と操舵翼が装備されており、これによりミサイルの飛行中の姿勢制御が行われています。弾頭の重量は300kgで、着弾精度に関しては80mから90mの誤差範囲が予想されています。発射方式には輸送起立発射機（TEL）が使用され、複数のバリエーションがあります。これにより、異なる運用シナリオに対応することができます。

KN-25の固体ロケットモーターは既存の戦術弾道ミサイルに基づいて設計されたと考えられており、北朝鮮の報道ではこのミサイルが自主開発されたことが強調されています。これは、他の弾道ミサイルに比べて国産技術の推進を示すものとされています。

用途と戦術

KN-25は戦術的な目的に主に使用されることを想定しており、大隊レベルに配備されます。通常弾頭を搭載したバージョンは敵後方の目標に対して効果的な攻撃を行えると考えられています。特筆すべきは、北朝鮮がこのミサイルに戦術核兵器を搭載できる能力があると主張している点です。2023年に行われた軍事パレードでは、このミサイルが「戦術核兵器運用ユニット」として紹介され、核弾頭を搭載する実験も報告されています。

誘導システム

KN-25の誘導システムは特異な設計となっており、後部に取り付けられた回転式安定翼が機体全体の制御を担当する珍しい方式です。一般的には機体をスピンさせて安定を保ちますが、KN-25では後部のみが回転し、機体自体は安定して飛行することが可能です。この設計により、ミサイルがより精度高く目標に命中することが期待されています。

巡航ミサイルの関連

2021年には、KN-25の発射機を使用して新たな対地巡航ミサイルの実験が行われました。この巡航ミサイルは射程が1500kmから2000kmとされ、核弾頭の搭載も可能とされています。これにより、KN-25と相互に補完し合う能力が向上しています。

結論

KN-25はその設計や用途において、現代戦において重要な役割を果たす可能性を秘めた兵器です。特に、短時間で大規模な攻撃を仕掛ける戦術的な利点があり、韓国やその他の国々にとって警戒を必要とする存在となっています。進化を続ける北朝鮮のミサイル技術に対する理解は、国際的な軍事戦略において欠かせない要素です。

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