KOSMOS (近畿日本鉄道)

近畿日本鉄道の運行管理システム「KOSMOS」

近畿日本鉄道（近鉄）が運用する列車運行管理システム「KOSMOS（コスモス）」は、Kintetsu Oriented Signal and Monitor Operation Systemの略称で、関西地区の路線（一部を除く）と阪神電気鉄道の一部区間で活躍しています。列車運行の管理、制御機器の監視、信号システムの一括制御など、運行に関わる様々な機能を統合した高度なシステムです。

KOSMOSの概要と歴史

1986年の稼働開始以来、近鉄の運行を支え続けているKOSMOSは、2020年現在、難波線、大阪線（大阪上本町～西青山間）、京都線、奈良線、橿原線、天理線、信貴線、生駒線、田原本線、南大阪線、吉野線、道明寺線、長野線、御所線、そして阪神なんば線（桜川～大阪難波間）など、広範囲な路線で運用されています。これらの路線のすべての連動駅を管理下に置いています。

一方、名古屋地区の路線では、2010年から「KRONOS（クロノス）」という別の運行管理システムが導入されています。

KOSMOSの導入は段階的に行われました。

1986年：奈良線（東生駒～近鉄奈良間）、京都線（高の原～大和西大寺間）、橿原線（大和西大寺～平端間）
1992年：難波線、奈良線（大阪上本町～東生駒間）、天理線
1998年：橿原線（平端～橿原神宮前間）、大阪線（大阪上本町～西青山間）、信貴線
2002年：南大阪線、道明寺線、長野線、御所線
2005年：京都線（京都～高の原間）
2009年3月20日：阪神なんば線（大阪難波～桜川間）
2017年：生駒線、田原本線
2020年6月21日：吉野線

システム更新と機能強化

従来、KOSMOSは制御駅ごとにコンピュータを設置する分散制御方式でしたが、2017年3月、「大阪総合指令所」の設置に伴い、南大阪線、道明寺線、長野線、御所線を除く路線で、線区集中制御方式への大規模なシステム更新が行われました。

この更新により、大和西大寺駅を中心としたダイヤ表示機能、マウス操作によるダイヤ調査機能、キーボードからの列車番号入力機能などが追加されました。さらに、車番管理機能、踏切集中管理機能、そしてOA用パソコン上でリアルタイムの運行状況を確認できるweb-TID機能などが新たに追加され、機能が大幅に向上しました。この更新と同時に、生駒線と田原本線がKOSMOSの管理下に加わりました。

KOSMOS連動駅

2018年12月現在、南大阪線、道明寺線、長野線、御所線を除く路線のKOSMOS連動駅は多数存在します。（詳細な駅一覧は省略）2017年のシステム更新以前から対象だった駅と、更新後に追加された駅があります。

まとめ

KOSMOSは、近鉄の安全で効率的な運行を支える重要なシステムです。長年にわたる運用実績と、最新の技術を取り入れたシステム更新によって、その信頼性と機能性はますます向上しています。今後も近鉄の鉄道運行において、KOSMOSは重要な役割を果たし続けるでしょう。

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