KSK (ドイツ陸軍)

KSK（特殊戦団）の概要とその使命

KSK（ドイツ語：Kommando Spezialkräfte）は、ドイツ連邦陸軍に属する旅団級の特殊部隊であり、1996年に編成されました。英語圏では「Special Forces」として知られるこの部隊は、国の防衛や特別な軍事作戦を実施するために配置されています。KSKのモットーである「Facit Omnia Voluntas」は、「意志が決め手」という意味で、任務に対する強い精神を象徴しています。

KSKの歴史

KSKの設立は1996年に始まり、カルフのグラーフ・ツェッペリン兵舎に駐屯する第25空挺旅団を基にした組織です。当初は解隊された第25空挺旅団や連邦軍の偵察中隊の将校が中心となり、2000年には編成が完了しました。KSKは、西側諸国の特殊部隊と同様に、特に英軍のSASや米軍のグリーンベレーから影響を受けており、現在も訓練や作戦で彼らと密に連携しています。

KSKの活動は、2002年にアフガニスタンへの派遣報道がなされるなど、国際的な任務にまで及びますが、ドイツ国防省は具体的な成果や損失に関する情報を没公表としています。また、KSKの前身にあたるFallschirmjägerkompanie B1という部隊が存在しており、これは1990年から1996年まで活動していました。

不祥事と調査問題

KSKは、その極右的な風土や軍内での武器横領疑惑から、度々当局の調査を受けてきました。特に2020年には、元隊員が無許可で武器や爆発物を持ち帰って逮捕され、同年7月には国防相が極右思想が浸透した中隊の解体を命じました。この影響で第2コマンドー中隊は解体される事態になりました。

任務

KSKの創設目的は、「戦争の防止及び停戦、国の防衛に関連する軍事作戦の実施」という形で文書化されており、特別重要な敵の施設や戦力の偵察、破壊、救出作戦など多岐にわたる任務を担っています。これにより、KSKは新しい状況に対応する特殊戦力として、急速に行動できる能力を求められています。

編成

KSKは約580名から成り、本部の他に、100名の偵察中隊、80名ずつの4個コマンドー中隊、3つの支援中隊を擁します。各コマンドー中隊は、地上、空中、水上作戦など異なる専門分野に特化した小隊に分かれています。

訓練基準

KSKに参加するためには、連邦軍の将校や下士官であることが必要で、厳しい選抜過程を経る必要があります。体力テストや心理的安定性を確認するためのテストも実施され、合格者は最低6年の任務を遂行する義務があります。

過去の団長と主な装備

KSKは多くの歴代団長を持ち、それぞれが部隊の運営において重要な役割を果たしてきました。また、KSKの主な装備には、H&K社製の各種自動小銃や狙撃銃、対物火器、車両などが含まれ、高度な技術と性能を誇ります。

KSKは現代の安全保障における重要な役割を果たす特殊部隊として、常に進化し続けています。

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