Kartell

Da-iCEの「Kartell」：10周年の決意と社会への警鐘

2021年7月28日にリリースされたDa-iCEの楽曲「Kartell」は、グループにとって特別な意味を持つ1曲です。リーダーの工藤大輝が作詞・作曲を担当し、Da-iCEの新たな10年への幕開けを告げる、決意表明ともいえる作品と言えるでしょう。

楽曲タイトルの「Kartell」は、複数の企業が価格や生産量などを決めて独占的な利益を得る行為を指す言葉です。日本では独占禁止法で禁じられていますが、この言葉がタイトルに使われていることからも、楽曲のテーマが社会的な問題意識と深く関わっていることが分かります。

「Kartell」の歌詞は、現状維持や既成概念にとらわれ、思考停止に陥ることへの警鐘を鳴らしています。流れを淀ませるもの、現状維持を良しとする社会構造への痛烈な批判が込められています。同時に、積み重ねてきたキャリアを武器に、未来を切り開いていこうとする希望のメッセージも感じられます。特にサビ部分の“蹴飛ばせ 忖度と不感症”というフレーズは、現代社会における忖度へのアンチテーゼとして、強いインパクトを与えます。

この楽曲は、単なるエンターテイメント作品としてだけでなく、社会へのメッセージ性を強く打ち出している点も注目に値します。若者世代のアーティストが、社会問題に真正面から向き合い、自身の音楽を通して訴えかける姿勢は、現代社会において重要な意味を持っています。

さらに、「Kartell」はDa-iCEの活動においても、重要な位置づけにあります。2022年2月16日にリリースされたコンセプトEP『REVERSi』に収録され、グループの新たな方向性を示す作品となりました。そして、2024年5月17日、Da-iCEがテレビ朝日「ミュージックステーション」に初出演した際には、工藤大輝が「Kartell」と手書きされた衣装を着用して登場。楽曲への強い思い入れと、グループにとっての特別な楽曲であることを象徴的に示していました。

「Kartell」は、音楽的な完成度の高さだけでなく、社会へのメッセージ、そしてDa-iCEのグループとしての決意表明を凝縮した、非常に意義深い楽曲と言えるでしょう。そのメッセージは、リスナーの心に深く響き、共感を呼ぶとともに、社会全体への問いかけとしても受け取ることができます。音楽を通して社会に警鐘を鳴らし、未来への希望を提示する「Kartell」は、Da-iCEの代表曲として、今後も長く語り継がれることでしょう。

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