Kh-23

Kh-66/Kh-23 グロム：ソ連が生んだ空対地ミサイル

Kh-66およびKh-23 グロム（ロシア語: Х-23 Гром、Gromは稲妻の意、NATOコード：AS-7 ケリー）は、ソビエト連邦で開発された射程10kmの空対地ミサイルです。地上および海上の小型目標への攻撃を目的として設計されました。

設計の背景と特徴

Kh-66は、R-8（AA-3 'アナブ'）空対空ミサイルを基に開発されました。これは、R-8のビーム誘導型をベースに弾頭を大型化したものと言えます。特徴的な点として、K-5（AA-1 'アルカリ'）ミサイルのビーム誘導装置を流用するためのアンテナスペース確保のためにノズルが分割されています。機体構造は、機首に十字型の制御フィン、後部に制御用の昇降舵を備えた4枚羽という構成です。

Kh-23は、AGM-12 ブルパップと同様の無線指令誘導方式を採用したKh-66の改良型として開発されました。

開発と運用

Kh-66は1968年にMiG-21用に生産が開始され、ベトナムに緊急投入されました。Kh-23は1973年にMiG-23用に認定されています。

バリエーション

多様なバリエーションが存在します。

Kh-66: K-8をベースにしたオリジナルのビーム誘導ミサイル。
Kh-23 (Izdeliye 68): 推進剤が改良された最初の無線指令誘導型。
Kh-23M: Kh-25の技術でKh-23を改良したモデル。
Kh-23L: レーザー誘導バージョンで、実際にはKh-25（AS-10 'カレン'）をベースとしています。西側諸国での名称。
A921: ルーマニアで製造されたバージョン。
グロム（グロム02）: 1980年代にユーゴスラビアで開発されたバージョン。ポーランド製のMANPADS（Grom）と同名ですが、異なる兵器です。
Grom-B (Grom 2): 1990年代半ばから後半にかけて、セルビアのVojno-Tehnicki Institutによって開発されたテレビ誘導版。AGM-65B マーベリック用のシーカーをベースにしています。

運用国

Kh-66/Kh-23は、以下の国々で運用されていました。

北朝鮮
セルビア
アルジェリア（過去）
ソビエト連邦（過去）およびその継承国家群
ブルガリア（過去）
キューバ（過去）
インド（過去）
イラク（過去、サダム時代）
ポーランド（過去）
ルーマニア（過去、A921）
シリア（過去）
ベトナム（過去）

類似兵器

AGM-12 ブルパップ
* AS-20：初期の空対空ミサイルをベースにしたフランスの空対地ミサイル

まとめ

Kh-66/Kh-23 グロムは、ソ連が開発した空対地ミサイルであり、その派生型は多くの国で使用されました。R-8空対空ミサイルをベースに開発され、無線指令誘導方式やテレビ誘導方式など、様々な誘導方式を採用したバリエーションが存在します。

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