Kryo (マイクロアーキテクチャ)

Kryoマイクロアーキテクチャの詳細

Kryo（クライオ）は、Qualcommによって設計されたマイクロアーキテクチャであり、ARMv8-A 64ビット命令セットを実装しています。この技術は、かつてのKraitコア（32ビット命令セット）の後継となり、2015年9月に初めて発表されました。Kryoは、特にSnapdragon 820 SoCに利用され、サムスンの14nm FinFETプロセスで製造されています。Kryoコアは、異なるクロック周波数で動作するbig.LITTLE構成の2つのデュアルコアクラスタで構成されており、これによって効率的なパフォーマンスが供給されています。

Kryoの特性

Kryoマイクロアーキテクチャは、アウト・オブ・オーダー実行を行うスーパースカラーパイプラインを持っており、その設計により高い命令処理能力を実現しています。具体的には、各コアは以下のようなキャッシュ構成を持っています。

• - 32 KiB + 32 KiBのL1キャッシュ
• - 512 KiBから1 MiBのL2キャッシュ（Snapdragon 820・821の場合）、および2 MiBのL2キャッシュ（Snapdragon 835の場合）

このアーキテクチャにおけるコアパフォーマンスは、6.3 DMIPS/MHzと示されています。これは、非常に効率的な処理を提供するための基盤となっています。

Kryo 280の登場

後の世代であるKryo 280は、2016年11月にSnapdragon 835チップセットと共に発表されました。この新しいコアは、オリジナルのKryoから派生したのではなく、ARMのCortex-A73を基にしたカスタムバージョンです。Kryo 280では、クロック当たりの実行命令整数は17%向上しましたが、浮動小数点演算の性能は32%低下しました。これにより、特定のアプリケーションにおいて異なる性能プロファイルを持つこととなります。

Kryo 385の進化

さらに、2017年12月にはKryo 385がSnapdragon 845 SoCと共に発表されました。このバージョンは、高性能コア

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