L.A.ストーリー/恋が降る街

『L.A.ストーリー/恋が降る街』は、1991年に公開されたアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画です。主演、脚本、そして製作総指揮を務めたのは、スティーブ・マーティン。彼の軽妙洒脱な演技とユーモラスな脚本が魅力の作品となっています。

物語の中心人物は、ロサンゼルスで気象予報士として働くハリス・テレマッカー。彼は独特の語り口で天気予報を伝え、人気を博しています。仕事では順風満帆な日々を送っていますが、私生活では長年交際している恋人との関係に悩んでいました。そんなある日、フリーウェイを車で走っている最中、道路状況を示す電光掲示板に不思議なメッセージが映し出されます。「君の人生に転機が訪れる。天気がその鍵となるだろう。」と。

この出来事をきっかけに、ハリスはイギリス人ジャーナリストのサラと運命的な出会いを果たします。知性と落ち着いた雰囲気を漂わせるサラに惹かれたハリスは、次第に彼女への想いを募らせていきます。しかし、過去の恋愛の傷から、なかなか素直な気持ちを表すことができないでいました。一方、サラもまたハリスへの好意を抱きながらも、ためらいを抱えていました。

2人の微妙な距離が続く中、サラの帰国日が迫ってきます。そして、サラが空港へ向かうと、突然の大雨が降り始め、飛行機は欠航。この時、ハリスはあの電光掲示板のメッセージを思い出します。それは、彼にとって、サラへの愛を告白する絶好のチャンスだったのです。運命の雨が、2人の距離を縮めていきます。

映画には、エンヤの楽曲「Epona」を始めとする美しい音楽が効果的に使用されており、ロサンゼルスの街並みや雰囲気と見事に調和しています。また、ハリスの周囲には個性豊かなキャラクターたちが登場し、物語に彩りを添えています。

本作には、当時夫婦であったスティーブ・マーティンとヴィクトリア・テナントが共演しています。ヴィクトリア・テナントは、ハリスの恋人候補であるサラ・マクダウェルを演じています。しかし、この作品公開後数年で2人は離婚。そのため、『L.A.ストーリー/恋が降る街』は、彼らにとって最初で最後の夫婦共演作品となりました。この事実は、作品に特別な感慨を与え、見る者の心に深く響く要素となっています。

その他、個性的な俳優陣が脇を固めています。リチャード・E・グラント、マリル・ヘナー、サラ・ジェシカ・パーカーなど、実力派俳優たちがそれぞれの持ち味を発揮し、物語を盛り上げています。さらに、クレジットにはありませんが、ウディ・ハレルソンやチェビー・チェイスといったスター俳優も出演しているとのことです。

『L.A.ストーリー/恋が降る街』は、ロマンティックなラブストーリーの中に、ユーモアとウィットに富んだスティーブ・マーティン独特の演出が散りばめられた、心温まる作品です。ロサンゼルスの陽気な雰囲気と、運命的な出会いを描いたストーリーは、多くの観客を魅了し続けています。美しい音楽、個性豊かなキャラクター、そして、スティーブ・マーティンとヴィクトリア・テナントの共演という貴重な要素も、本作の魅力をさらに高めています。

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