L0系

L0系超電導リニアの概要

L0系（エルゼロけい）は、中央新幹線の品川 - 名古屋間で運行される予定の超電導リニア鉄道車両で、JR東海が開発を進めています。この車両は、物理的な接触なしに浮上して走行する磁気浮上方式を採用しており、高速移動の夢を実現する革新的な乗り物です。

形式名の由来

L0系の「L」はLinear（リニア）を示し、「0」は初代の新幹線にあたる0系をインスパイアしたものです。このシリーズは、地上側で電力を供給して走行する特性を持っているため、車両自体に動力源を載せる必要はありません。従って、初期型の900番台ではガスタービン発電機が装備されていましたが、改良版の950番台は誘導集電方式を導入し、エネルギー効率を向上させています。

900番台の特徴

900番台は、2011年までの走行試験のために、実験車両MLX01を基に開発されました。先頭車両のデザインは、流線形を意識した滑らかな形状で、長さは28m、ノーズ部分は約15mです。中間車は、長さと定員がMLX01のものと一致し、客室内の空間を確保した角型の車体設計が施されています。

塗装は、白地に青線を基調としており、東海道新幹線のデザインを踏襲したものです。特に先頭車の前面デザインは、屋根上に至る青いラインが特徴的で、窓上には2本の青線が引かれています。ロゴも側面にあしらわれ、視覚的にも印象的な外観となっています。

山梨リニア実験線での走行試験のため、900番台では先頭車4両、中間車10両の14両が製造されました。製造は日本車輌製造と三菱重工業が担いました。2012年には、このうち5両が車両基地に搬入され、その後台車を取り付けた姿が公開されました。

2015年には、1日で4,064 kmの試験走行を達成し、これまでの24時間走行記録を更新した他、590 km/hを超える速度での走行にも成功し、世界鉄道最高速度記録を更新しました。これによってL0系の実力が広く認識されることとなりました。

950番台の改良点

2018年には、L0系の改良版である950番台の開発が発表され、2020年春を目指して各種改良が進められました。主な改良には、ガスタービン発電機の廃止と誘導集電方式への全面移行、先頭形状の最適化による空気抵抗低減、視認性向上のための前灯位置の変更などがあります。座席のデザインにも改良が加えられ、より快適に過ごせる空間が提供されています。

950番台は日立製作所と日本車輌製造によって製作され、既存の900番台編成に組み込まれ、さらなる試験走行が随時行われる予定です。

量産化への道

試験車両の開発においては、三菱重工業との製造コストに関する問題が影響し、商業用車両の量産が進まない状況が報告されました。しかし、最終的に日本車輌製造と日立製作所による製造にシフトし、量産が着実に進められていく見込みです。

L0系は、日本の鉄道技術の結晶であり、将来的には高速で快適な移動手段として、多くの人々に利用されることが期待されています。

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