L@ve once

ゲーム概要:『L@ve once（ラブアットワンス）』

『L@ve once』は、2010年9月30日にプリンセスソフトの姉妹ブランドMaid meets Catから発売されたPlayStation Portable用の恋愛アドベンチャーゲームです。このゲームが同ブランドの第一作目となり、キャラクターデザインと監修にはささきむつみが関わっています。

ストーリーの背景

本作は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの名作『人魚姫』を新たに解釈し、「一度きりの恋愛」をテーマに展開されます。この主題は、最初にクリアしたヒロインがタイトル画面に登場することで具体化され、プレイヤーに重い選択を強いています。すなわち、一度選んだヒロインは後の変更ができず、変更したい場合は新たにセーブデータを作成しなければならないのです。また、一部のキャラクター名には、他作品から引き継がれた言葉遊びが組み込まれており、登場人物の姓が「た行」で始まるなどの工夫が施されています。

PS3版の追加要素

2011年2月24日には、PlayStation 3版『L@ve once -mermaid's tears-』が発売され、オリジナル版に対して追加要素が盛り込まれました。これにより、堤美散が新たにヒロインとして登場し、数多くの新シナリオやイベントCGが追加されました。さらに、新しいオープニング曲やエンディング曲、新たなアフターストーリーも収録され、オールクリア後には特別なラジオ番組も楽しめるようになります。これらの要素を盛り込んだPS3版は、事実上の完全版としてファンから高く評価されています。

物語の流れ

物語は、人間の修一と人魚の汐音の間に生まれた息子、翔司を中心に展開します。彼の父である修一が亡くなったことで、翔司は存在を脅かされます。人魚は「一度きりの恋」が運命づけられており、心のつながりが切れると消えゆく運命にあります。汐音が彼の父と結んだ愛情も、翔司に受け継がれるが、それは命と引き換えであり、彼を救うためには運命の相手を見つける必要があるのです。

翔司を救うため、メイとメルという双子の人魚が彼の前に現れ、彼に最初の一歩を促します。彼女たちは翔司に「魔法」をかけてくれると約束しますが、その約束には代償が伴います。魔法をかけられたからと言って、彼の恋愛もまた一度きりのものであり、彼女を見つけることができなければ、再び消えてしまう可能性があるのです。

主な登場人物

• - 高梨 翔司（主人公）: 一度しか愛を知ることができない運命を背負い、恋人探しに奔走します。
• - 鳥留メイ: 双子姉妹の妹で、おとなしく礼儀正しい性格。
• - 鳥留メル: 双子姉妹の姉で、明るく好奇心旺盛な性格。
• - 堤美散: 生徒会長であり、複雑な家庭環境を持つキャラクター。
• - 高梨 汐音: 翔司の母親で元人魚。

音楽と関連コンテンツ

『L@ve once』は、主題歌の美しさでも知られています。PSP版には、オープニングテーマ「Way to my love」やエンディングテーマ「貝殻の記憶」が収録されています。PS3版では新たにオープニングテーマ「一度きりのLove Story」が追加され、多くのファンの心を捉えました。また、ラジオ番組「聡美と羽衣のR@dio once」も配信され、このゲームの文化に強い影響をもたらしました。

このように、『L@ve once』は深いドラマ性と魅力的なキャラクターたちに支えられ、他の恋愛ゲームとは一線を画す作品となっています。

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