LDKスタジオ

LDKスタジオは、1982年に細野晴臣が設立した¥ENレーベルと共に誕生した録音スタジオです。場所は東京都文京区音羽にありました。

設立の背景

イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）のメンバーであった細野晴臣は、YMOの成功を機に自身のレーベルとスタジオを持つことを夢見ていました。その夢を実現するため、当時所属していたアルファレコードに働きかけ、自身のレーベル「¥EN」を設立。同時に、音楽制作の拠点となるLDKスタジオを開業しました。

スタジオ名の由来とコンセプト

スタジオの名前であるLDK（Living Dining Kitchen）は、細野自身が名付け親です。この名前には、「プライベートスタジオ」としての設計コンセプトが込められていました。従来のスタジオとは異なり、録音ブースはあえて狭く設計され、その代わりにコントロールブースが広々と確保されていました。これは、当時最先端であったシンセサイザーのライン録音に最適な環境を提供するためでした。

¥ENレーベルの拠点として

LDKスタジオは、設立当初から細野晴臣自身や、¥ENレーベルに所属するアーティストたちの音楽制作拠点としてフル活用されました。数々の実験的な音楽や、時代を先取りするサウンドが、この場所から生み出されました。

¥ENレーベル解散後も

1985年に¥ENレーベルが解散した後も、LDKスタジオは存続し、数多くのミュージシャンに利用されるスタジオとしてその役割を果たし続けました。その独特な音響特性と、アットホームな雰囲気に魅了された多くのアーティストが、LDKスタジオで作品を制作しました。

クローズ

しかし、入居していたビルの老朽化には勝てず、2014年 3月31日をもって惜しまれつつもクローズとなりました。LDKスタジオは、日本の音楽史における重要なスタジオの一つとして、その名を刻んでいます。