LEC (F1)

LEC Refrigeration Racing：短命に終わったF1挑戦の物語

1977年、F1の世界に突如として現れたLEC（LEC Refrigeration Racing）。その歴史は、イギリス人ドライバー、デビッド・パーレイの情熱から始まりました。冷凍機器メーカーである実家のLEC Refrigerationをバックに、パーレイは1973年、自らチームを設立。しかし、この時点では自前のマシンを持たず、マーチ・731を購入して参戦するという形でした。5戦に出場するも、最高位はイタリアGPの9位と振るわず、翌年にはパーレイが他のチームに移籍。LECの名はF1から一時的に姿を消します。

4年後、LECはオリジナルマシン「LEC・CRP1」を携え、F1に華々しく復帰します。1977年シーズン、第5戦からエントリーを開始。しかし、予備予選の壁に阻まれ、第7戦ベルギーGPでようやく決勝レースにデビューを果たします。その後3戦連続で決勝進出を果たしたものの、最高位は13位と、目覚ましい結果は残せませんでした。

転機は第10戦イギリスGPで訪れます。予備予選中、パーレイが大事故に遭い、生死の境をさまよう大クラッシュに見舞われたのです。この事故はパーレイのF1キャリアに終止符を打ち、チームも同時にその活動を停止することとなりました。パーレイの事故の詳細については、彼の項目を参照ください。

LECというチームは短命に終わったものの、そのメンバーはF1の世界に貢献し続けました。チームの主要メンバーであったマイク・アールらは、その後オニクス（Onyx）を設立。F2や国際F3000で活躍した後、1989年から1990年にかけてF1に参戦しています。LECのDNAは、新たなチームへと受け継がれ、F1の歴史に小さなながらも重要な痕跡を残したと言えるでしょう。

LECのF1参戦は、個人ドライバーの強い意志と、家族経営ならではの情熱が織りなすドラマでした。資金力や技術力においては大きなハンデを負っていたものの、彼らのF1への挑戦は、多くのF1ファンに記憶されていることでしょう。彼らが持ち合わせた不屈の精神と、F1という舞台への情熱は、今もなお多くのモータースポーツファンにインスピレーションを与え続けています。短期間ではありましたが、LEC Refrigeration RacingはF1の歴史にその名を刻み込みました。その功績は、決して忘れるべきではないでしょう。

F1世界選手権におけるLECの成績

※ポイントについては、当時のF1レギュレーションを反映したものです。

脚注

(詳細な脚注はここに記載します。必要に応じて、ソース資料などを明記します。)

関連項目

デビッド・パーレイ
F1コンストラクターの一覧

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