LGBアライアンス

LGBアライアンスについて

LGBアライアンス（LGB Alliance）は、2019年にイギリスで設立された非営利団体です。この団体は主にレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの権利を推進することを目的とし、特にトランスジェンダーの権利に対する反対運動を展開しています。初めての活動は、イギリスの主要なLGBT権利団体ストーンウォールに対する公開質問状が発端となり、これを受けてストーンウォールからいくつかの創設者が脱退し、LGBアライアンスが設立されました。

歴史的背景

2019年9月、サンデー・タイムズに掲載された質問状がきっかけとなりました。この質問状では、ストーンウォールのトランスジェンダーに関する立場が問われており、これが継続的な議論を引き起こしました。そして、この騒動を受けてサイモン・ファンショーなどの活動家がストーンウォールを去り、アリソン・ベイリーらと共にLGBアライアンスを共同で設立しました。

2020年には、理事に就任しているアン・シノットがイギリス人権平等委員会に対して2010年平等法の解釈について訴訟を起こしました。しかし、この訴訟は却下され、人権活動を萎縮させる目的のものであるとの指摘を受けました。

主要な活動と主張

LGBアライアンスの主張は、「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの人々を、性的指向に基づく差別や不利益から自由にさせる」ことです。にもかかわらず、実際にはトランスジェンダーの権利に対する反対の活動が多く確認されています。具体的には、トランスジェンダーの権利を「トランスジェンダリズム」と呼び、これが疑似科学であり、子供たちに危険であるという主張を展開しています。さらに、イギリス国内のトランスジェンダーの平等に関する法律の制定や改正に反対するキャンペーンを実施しています。

共同創設者のケイト・ハリスは「ジェンダー・アイデンティティが存在する証拠はない」とメディアで語り、また同性愛者が集まる施設の緊急閉鎖を要求したこともあります。

批判の声

設立以来、LGBアライアンスはトランスジェンダー差別的な団体として広く認識されており、その活動は多くの専門家や性的少数者から厳しい批判を受けています。有名な脚本家のラッセル・T・デイヴィスは、「Tを切り取ることは殺すのと同じだ」と発言し、同団体を厳しく非難しました。同様に、コメディアンのマット・ルーカスも「アンチ・トランス」と表現しました。

また、労働党の国会議員ナディア・ウィット―ムは議会で「私たちのコミュニティは決して分裂しない」と語り、LGBとTは不可分であるとの立場を示しました。

多くの批判を受けて、LGBアライアンスに対する助成金の停止も検討されています。特に、トランスジェンダー差別的な主張が極右の動きと結びついている事例も多く、団体に対しては「ヘイトグループ」とのレッテルが貼られることもあります。また、イギリスの規制機関Ofcomは、メディアが同団体にコメントを求めることが不適切であると述べています。こうした背景から、LGBアライアンスは社会において物議を醸しています。

最後に

LGBアライアンスの設立とその活動は、LGBTコミュニティ全体の中での大きな論争を引き起こしています。特にトランスジェンダーの権利についての立場は、多くの議論を呼び起こす要因となっています。今後もこの団体の活動とその影響については注目が必要でしょう。

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