LINDBERG V

LINDBERG V：アメリカでのレコーディングと大ヒットを記録した記念碑的アルバム

1992年5月22日、日本の音楽シーンに新たな金字塔が打ち立てられました。LINDBERGの5枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG V』のリリースです。徳間ジャパンコミュニケーションズ傘下のPUBLIC IMAGE RECORDSレーベルより発売された本作は、バンドにとって大きな転換期を示す作品となりました。

ロサンゼルスでのレコーディング：新たなサウンドの探求

本作最大の特徴は、バンド初となる海外レコーディングがロサンゼルスで行われた点です。それまでの作品とは異なるスタジオ環境、楽器、そして空気感は、メンバーに新鮮な刺激を与えました。アルバムのブックレットには、ロサンゼルスでのレコーディング風景を捉えた写真が多数掲載され、当時の熱気を伝えています。特に、平川、川添、小柳の3人は、アメリカのスタジオの音や楽器の響きに感動したと語っています。しかし、渡瀬マキは、現地の生活環境によるストレスから声が出なくなるなど、苦労の絶えないレコーディングだったと後に明かしています。

渡瀬マキ：作詞家としての全曲担当

『LINDBERG V』から、全楽曲の作詞を、ボーカルの渡瀬マキが担当するようになりました。彼女の視点と感性が、より深く、そしてストレートに表現された歌詞は、リスナーの心を揺さぶる力を持っています。

オリコンチャート3週連続1位：圧倒的な人気と商業的成功

『LINDBERG V』は、発売後、1992年6月1日から6月15日までのオリコン週間チャートで3週連続1位を獲得。19回に渡ってチャートにランクインし、87.8万枚という驚異的な売上を記録しました。これは、LINDBERGの圧倒的な人気と、アルバムの高い完成度を示す結果と言えるでしょう。

収録楽曲：多様な魅力を放つ12曲

アルバムには、シングル曲として既に人気を博していた楽曲に加え、新たな魅力を持つ楽曲が収録されています。

「赤い自転車」「Magical Dreamer」「Bye Bye WILD JET BOY」「風のない春の午後」「青いかけら」「気まぐれYoung Lovers」「恋をしようよ Yeah! Yeah!」：既に多くのファンに愛されている、アップテンポでキャッチーな楽曲から、しっとりとしたバラードまで、幅広い楽曲が収録されています。「恋をしようよ Yeah! Yeah!」はコカ・コーラのCMソングとして起用され、LINDBERGの知名度をさらに高めました。また、この曲は、第43回NHK紅白歌合戦への初出場を果たすきっかけとなりました。
「INNOCENT SKY」「この空にちかって」：NHK連続アニメ「ヤダモン」のオープニングテーマとエンディングテーマとして使用された楽曲。
* 「フォトグラフ」「Over The Top」「日曜日はドライブ日和り」「朝」：バラエティ豊かな楽曲群に彩りを添える、バラードやミディアムテンポの曲です。「Over The Top」はミズノのCMソングとして使用され、柔道の谷亮子選手（当時：田村亮子選手）がバルセロナオリンピックの応援歌として使用したことでも知られています。「朝」は1分58秒という短いながらも印象的な楽曲です。

初回限定盤：コレクターズアイテムとしての価値

初回限定盤は、三方背BOX仕様となっており、青、赤、白の3色のバリエーションが存在します。現在では入手困難なアイテムとなっており、コレクターの間では高い価値を持って取引されています。

まとめ

『LINDBERG V』は、LINDBERGの音楽性と人気を決定づけた重要な作品です。海外レコーディングという挑戦、オリコンチャートでの記録的な成功、そして、多様な楽曲群は、今もなお多くのリスナーを魅了し続けています。その高い音楽性と商業的な成功は、日本の音楽史に大きな足跡を残しました。

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