LMSコロネーション級蒸気機関車

LMS コロネーション級蒸気機関車

LMSコロネーション級蒸気機関車（LMS Coronation Class）は、イギリスの鉄道史に名を刻む重要な機関車です。この蒸気機関車は、1938年からロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道（LMS）によって導入され、急行旅客列車の牽引機として活躍しました。また、この機関車は、ロンドンとグラスゴーを結ぶ急行列車の運行に特化した設計が施されており、その役割は非常に大きかったのです。

コロネーション級機関車は、プリンセス・ロイヤル級の技術を元に、さらなる出力増強が図られて設計されました。このシリーズの代表機関車である6234号機「ダッチェス・オブ・アバーコーン」は、イギリスの蒸気機関車の中で最大出力である2,511hpを記録し、そのパフォーマンスは特筆すべきものです。

当初、コロネーション級機関車は流線形の車体を持ち、同時期のLNERのA4型機関車などと同様に洗練された美しいデザインが特徴でした。この流線形デザインは、機関車が空気抵抗を少なくし、高速運転を可能にするための工夫でした。しかし、時代の移り変わりと共に、徐々に流線形のスタイルから従来の非流線形に修正されていきました。

LMSコロネーション級機関車は、その性能やデザインもさることながら、製造された機関車の多くが現在も保存されている点でも注目されています。6233号機「ダッチェス・オブ・サザーランド」は、プリンセス・ロイヤル・ロコモーティブ・トラストという慈善団体によって保存されており、その存在は鉄道ファンにとって貴重なものとなっています。また、46235号機「シティ・オブ・バーミンガム」は、バーミンガム科学博物館で保存・展示されており、訪れる人々にその歴史的価値を認識させています。

このように、LMSコロネーション級蒸気機関車は、急行旅客輸送のために設計された名機であり、その性能と美しいデザインは今でも多くの人々に愛されています。今日、コロネーション級はイギリスの鉄道文化の象徴ともなっており、機関車の運行や展示を通じてその歴史が語り継がれています。鉄道の発展と共に歩んできたこの機関車の存在は、今後も多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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