LOVE LIFE (矢野顕子のアルバム)

矢野顕子『LOVE LIFE』：愛と人生を紡ぐ音楽

『LOVE LIFE』は、日本のシンガーソングライター、矢野顕子が1991年10月25日に発表したアルバムです。Epic/Sony Recordsへの移籍第一弾としてリリースされ、矢野顕子の新たな音楽的挑戦を示す作品となりました。2013年にはBlu-Spec CD2として再発されています。

アルバムの背景

デビュー15周年という節目に、矢野顕子は長年在籍したミディを離れ、Epic/Sony Recordsに移籍しました。本作は、その新たなスタートを飾るオリジナルアルバムとして制作されました。

音楽性

前作に引き続き、パット・メセニーが多数の楽曲でギターを担当し、その美しい音色でアルバムを彩っています。また、本作からジェフ・ボヴァ、宮沢和史との共同作業が本格的に始まり、Epic在籍時を通じて継続されることになります。多様な音楽的背景を持つアーティストとのコラボレーションは、矢野顕子の音楽性の幅を広げました。

プロモーションと映画化

アルバムのプロモーションとして、1991年12月12日にNHK総合テレビの番組「音楽達人倶楽部」で、本作の収録風景が紹介されました。これにより、アルバム制作の裏側や矢野顕子の音楽に対する真摯な姿勢が伝えられました。

収録曲「LOVE LIFE」は、深田晃司監督によって同名映画として映像化され、2022年9月9日に全国公開されました。主演は木村文乃が務め、愛と人生の選択を描いた感動的な物語が展開されます。矢野顕子は映画化に際し、「楽曲の“LOVE LIFE”に大きな風景を見せてくれた」と感謝の意を表明しています。

映画のストーリーは、妙子（木村文乃）が夫・二郎（永山絢斗）と息子・敬太（嶋田鉄太）と幸せな日々を送る中で、悲しい出来事に遭遇し、失踪した前の夫・パク（砂田アトム）と再会することから始まります。一方、二郎は以前付き合っていた山崎（山崎紘菜）と会っており、それぞれの愛と人生が交錯していきます。哀しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのかが、物語の核となります。

収録曲について

アルバムには、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

BAKABON：赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」の世界観を矢野顕子ならではの解釈で表現した楽曲です。
釣りに行こう（WHY DON'T WE GO FISHING）：THE BOOMの楽曲のカバーで、矢野顕子と宮沢和史のデュエットによるバージョンもシングルとして発売されました。
THE LETTER：The Box Topsの曲のカバー。
湖のふもとでねこと暮らしている（DOWN BY THE LAKE,LIVING WITH MY CAT）：RCサクセション「山のふもとで犬と暮らしている」へのアンサーソングとして制作されました。

多彩なミュージシャンが参加

アルバムには、矢野顕子の他に、スティーヴ・フェローン（Drums）、ウィル・リー（Bass）、大村憲司（Guitar）、パット・メセニー（Guitar）、宮沢和史（Background Vocals）など、国内外の著名なミュージシャンが参加しています。彼らの演奏が、アルバムの音楽的な深みをさらに高めています。

海外盤

1993年8月31日には、NONESUCHより海外盤が発売されました。収録曲は一部変更されており、「The Letter」が削除される代わりに、前作『WELCOME BACK』から3曲が追加されています。

『LOVE LIFE』は、矢野顕子の音楽的才能と、愛と人生に対する深い洞察が込められた作品です。映画と共に、その世界観に触れてみてはいかがでしょうか。

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