LP (歌手)

LP（ローラ・ペルゴリッジ）

ローラ・ペルゴリッジは、1981年3月18日にアメリカ、ニューヨーク州ロングアイランドで生まれました。イタリアにルーツを持つ彼女は、後に「LP」というステージネームで活動を始め、シンガーソングライターとしてのキャリアを築いていきます。故郷ロングアイランドからニューヨーク市を経て、2010年にはロサンゼルスへと拠点を移し、音楽活動の幅を広げました。

キャリアの幕開け

ニューヨーク市に移ったLPは、その才能をバンド「Cracker」のデイヴィッド・ロウリーに見出されます。ロウリーは彼女を1998年のアルバム『ジェントルマンズ・ブルース』の隠しトラックに参加させた後、2001年にKoch RecordからリリースされたLPのデビューアルバム『ハート・シェイプド・スカー』をプロデュースしました。続いて2004年には、ライトスイッチレコードからセカンドアルバム『サバーバン・スプロール・アンド・アルコール』を発表。この作品ではソングライター兼音楽プロデューサーのリンダ・ペリーと協力しましたが、批評家からは好意的な評価を得たものの、商業的な大きな成功には繋がりませんでした。

転換期とソングライターとしての台頭

2006年、LPはサウス・バイ・サウスウェスト音楽祭でのパフォーマンスが注目を集め、複数のメジャーレーベルからの争奪戦の末、アイランド・デフ・ジャム・ミュージック・グループと契約します。しかし、音楽性の相違からこの契約は短期間で解消され、2007年にはインディーズレーベルのソービー・エンターテインメントと新たに契約を結びました。

この頃から、LPは他のアーティストへの楽曲提供を積極的に行うようになります。彼女がビリー・マンと共作した「Love Will Keep You Up All Night」は、2007年のバックストリート・ボーイズのアルバムに収録されました。また、自身のアルバム収録曲「Wasted」がテレビ番組「サウス・オブ・ノーウェア」のテーマソングに採用されるなど、メディアでの露出も増えていきます。2010年にはMTVの「ザ・ヒルズ」で「Damage Is Done」が使用され、iTunesでリリースされました。特に2009年以降はソングライターとしての依頼が増え、ハイディ・モンタグのアルバム『スーパーフィシャル』には多数の楽曲を提供。キャシー・デニスらと共に数多くの楽曲を共作しました。さらに、エリック・ハッスルのUKデビューアルバムにも「Standing Where You Left Me」を提供しています。

メジャーでの成功と自身の活動

2010年8月には、著名なプロデューサーであるレッドワン率いる2101 Recordsとの契約を発表。ソングライターとして最初の大きなブレイクは、2010年11月にリリースされたリアーナのアルバム『ラウド』に収録された「Cheers (Drink to That)」の共作でした。リアーナ自身がお気に入りの一曲として挙げるなど、この曲は大きな反響を呼びました。続いて、クリスティーナ・アギレラのサウンドトラックアルバム『バーレスク』に収録された「Beautiful People」でも共作者として名を連ね、メジャーシーンでの存在感を確立しました。

2011年6月には、NBCの音楽オーディション番組『ザ・ヴォイス』のファイナリスト、ヴィッチ・マルティネスのために共作した「Afraid to Sleep」がiTunesチャートでトップ10入りを果たします。同年9月にはワーナー・ブラザーズ・レコードと契約し、自身のアーティスト活動を本格化させます。間もなく、彼女が作詞・作曲・演奏した「Into the Wild」がシチバンクの全米テレビCMキャンペーンに起用され、広く認知されました。

2012年4月には、ワーナーからのメジャー第一弾となる5曲入りEP『Into the Wild: Live at EastWest Studios』をリリース。これを機に、サウス・バイ・サウスウェスト、ボナルー、ロラパルーザなど国内外の主要な音楽フェスティバルに多数出演し、精力的なライブ活動を展開しました。同年、女性アーティストとしては初めてマーティン・ギターのアンバサダーに選ばれるなど、その評価は高まっていきます。

近年の活動と新たな展開

2012年5月にはファッション誌『Vogue』で「アーティスト・オブ・ザ・ウィーク」として特集されるなど、音楽界のみならず幅広い分野で注目を集めました。その後、3枚目のスタジオアルバム制作に取り組み、ビリー・スタインバーグやイザベラ・“マシン”・サマーズ（フローレンス・アンド・ザ・マシーン）ら多くの才能あるアーティストやプロデューサーとコラボレーション。ロブ・カヴァロがプロデュースを手掛けたこのアルバム『フォーエヴァー・フォー・ナウ』は、2014年6月3日にリリースされました。リードシングル「Night Like This」や、カナダでセカンドシングルとしてリリースされた「Someday」がアルバムをプロモーションし、さらに「Tokyo Sunrise」のミュージックビデオはタイム誌のウェブサイトでプレミア公開されるなど話題を集めました。

2015年9月には、4枚目のスタジオアルバムからの先行シングルとして「Muddy Waters」を発表。この曲は2016年6月にNetflixの人気ドラマシリーズ「オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック」のエンディングシーンで使用され、ドラマの持つ緊迫感と相まって強い印象を残しました。同年11月にはセカンドシングル「Lost on You」がリリースされ、これらの楽曲はマイク・デル・リオとの共同制作によるものです。さらに2016年6月17日にはシングル「Death Balley」をリリースするなど、現在も精力的に活動を続けています。

LPは、シンガーソングライターとして自身のユニークな音楽性を追求する一方で、ヒットメイカーとして他のアーティストの成功にも貢献する、多様な才能を持ったアーティストです。力強く感情豊かな歌声と独特のスタイルで、世界の音楽シーンにおいて確固たる地位を築いています。

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