LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標

『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』

『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』は、『ルパン三世』シリーズの一環としてモンキー・パンチによって創造された、ルパン三世をテーマにしたスピンオフ映画の第一作です。この作品は、PG12のレイティングが適応された最初のルパン作品となっており、アニメーション映画に新たな一歩を踏み出しました。キャッチコピーの「あばよ、次元」は、物語の中心となるキャラクターである次元大介の運命を暗示しています。

概要

この映画は、1996年の『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』以来、約18年ぶりに制作されました。また、2013年に公開された『名探偵コナンVSルパン三世 THE MOVIE』からは約半年後の公開となりました。新宿バルト9での一週間限定上映が開始され、その後全国の主要都市で公開されました。本作は60分の中編作品ですが、実際には30分に分かれた前後編の形式で構成されています。

あらすじ

物語の舞台は、東西に分かれた西ドロアと東ドロア。事件は、昨今暗殺された東ドロアの歌姫、クイーン＝マルタを巡って広がります。ルパンと次元は、マランダ共和国にそびえる大使館から秘宝「リトルコメット」を盗む計画を立て、潜入作戦を敢行しますが、突如として現れた東ドロア警察に追われる羽目に。逃げる途中で、次元が狙撃を受け、ルパンも負傷します。

その後、ルパンと次元は、摘出した弾丸がマルタの暗殺に使われたものであることに気付き、次元は墓地へ向かうことにします。そこで彼は自分の墓が用意されていることを知り、自身を狙った殺し屋ヤエル奥崎に復讐する決心を固めます。次元は、ルパンの協力を拒んだ状態でヤエル奥崎のアジトに突入しますが、彼はそこにいません。その創造物には、次元の意をくむ形で動く不二子の姿が映っていたのです。

不二子はクラブ・ロンドに捕まっていますが、ルパンは彼女を救出し、無事脱出します。彼が見つけた「カラミティファイル」には、国際的なスパイや政界の人間を暗殺のターゲットにした東ドロア政府の非合法行為が記されていました。

次元達は再び墓地へ赴き、改めて自分たちの墓が用意されている様子を確認します。ヤエル奥崎との最終対決のために再起した次元は、次々と襲いかかる危険を乗り越え、彼を打ち倒すことに成功します。ただし、彼は暗殺の収支を世に知らしめるため、完膚なきまでにヤエル奥崎を追い詰めず、結果的にその暗殺命令を報道しつつ、この悲劇から逃れることに。

登場人物

• - ルパン三世 - 主人公であり、世界的な怪盗。彼の奇抜な行動と知略が物語を駆動させる。
• - 次元 大介 - 重要なキャラクターで、名射手。ルパンにとっての頼れる相棒。
• - 峰 不二子 - 謎多き女性。彼女の存在は物語にさらに複雑さを与えます。
• - 銭形 幸一 - ルパンを追う警部。 彼の捜査活動が物語に緊張感をもたらします。

この作品は、次元の視点から物語が展開され、ルパンと次元の関係性や成長が描かれています。アニメーションのスタイルやキャラクターデザインも注目を集めました。特に、1960年代から1970年代にかけての雰囲気を感じさせるスタイリングが特徴的です。

最後に、物語はヤエル奥崎の狙撃に失敗した場面で幕を閉じ、影に忍び寄る存在を感じさせる締めくくりとなっています。次回作に期待が寄せられる中、作品自体がルパン三世の新たな魅力を引き出しています。

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