La-15 (航空機)

La-15: ソ連のジェット戦闘機

La-15（ロシア語: Ла-15、ラー・ピトナーッツァチ）は、ソ連のラヴォーチキン設計局によって開発されたジェット戦闘機で、1948年に初飛行を果たしました。アメリカ国防総省からはType 21というコードネームが与えられました。

概要

La-15は、同時期に開発されたMiG-15に外観が似ていますが、構造上の違いがあります。MiG-15は中翼構造を採用しており、主翼がダクトの中央を突き抜けています。一方、La-15は高翼構造を採用することで、後退翼における強度問題を解決しています。この特徴から、La-15は航空機「174」、および航空機「174D」としても知られ、試作機はLa-174と呼ばれることもありました。また、複座練習機型は航空機「180」として開発されました。

La-15のエンジンについて、MiG-15は当時のソ連で最も強力なロールス・ロイス・ニーンの国産型RD-45ターボジェットエンジンを装備しているのに対し、La-15は小型で出力が劣るRD-500というエンジンを使用しています。このエンジン選択には政治的な要素が影響しており、結果としてLa-15は充分な性能を発揮できなかったため、MiG-15に主生産機の地位を譲らざるを得ませんでした。

そのため、La-15は迎撃戦闘機として数百機が製造されるにとどまりました。ラヴォーチキン設計局は第二次世界大戦以降ソ連空軍の主力戦闘機を数多く生産してきましたが、La-15がその実用機としての最後の作品となり、1950年代以降はミコヤン・グレヴィッチ設計局による戦闘機の生産が主流となっていきます。

スペック

• - 翼幅: 8.83 m
• - 全長: 9.56 m
• - 翼面積: 16.16 m²
• - 空虚重量: 2575 kg
• - 通常離陸重量: 3830 kg
• - 燃料搭載量: 1060 l
• - 発動機: ツマンスキー設計局製RD-500 ターボジェットエンジン ×1
• - 最大出力: 1590 kN
• - 最高速度（地表高度）: 900 km/h
• - 最高速度（高高度）: 1026 km/h
• - 実用航続距離: 1170 km
• - 上昇力: 1902 m/min
• - 乗員: 1 名
• - 武装: 23 mm 機関砲NS-23（弾数300発）×3

画像リンク

• - 航空機「174」
• - 航空機「174D」
• - 初めの量産機の内の1機
• - ソ連空軍のLa-15
• - 複座練習機型「180」

La-15は、当時の設計思想を反映した興味深い航空機であり、ソ連空軍の歴史において重要な位置を占めていました。

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