Last Day of June

Last Day of June

『Last Day of June』は、イタリアのゲーム開発スタジオOvosonicoが制作し505 Gamesから発売されたインタラクティブなストーリードリブンのゲームです。この作品は、主人公である男性カールが最愛の妻ジューンとの車の事故によって彼女を失った悲劇的な出来事を中心に展開します。物語は、プレイヤーがカールとジューンの想い出を辿りながら、何とか運命を変えようと奮闘する姿を描いています。

ゲームの概要

ストーリーの核は、カールが自宅のアトリエで見つけた光り輝く人物画にあります。彼はこの絵を通じて、事故の数時間前の出来事を再体験し、周囲の人々の行動を操作することで、妻を救おうと試みます。この作品は、視覚的な表現と感情に訴える音楽で構成されており、プレイヤーに設定や人物のセリフが一切提示されないため、ストーリーの解釈は各自に委ねられています。

システムとプレイスタイル

ゲームは、カールを操作するパートと、彼が住む集落の住人たちを操作するパートに分かれています。各人物は特有の性格や能力を持っており、物語の進行に応じて操作可能さが広がります。例えば、カールがアトリエの人物画に触れると、描かれた人物がその時の状況を変えるために動き出します。状況が整えば、プレイヤーは「1日を終える」選択をし、次の展開に進むことができます。

登場人物

• - カール (Carl): 主人公であり、ゲームが進む中でプレイヤーが直接操作します。彼は家族との思い出を胸に、事故を未然に防ぐために仲間の力を借りて行動します。
• - ジューン (June): カールの愛する妻であり、絵を描くのが得意です。彼女の描いた絵画が物語の鍵となります。
• - The Kid: 魅力的な少年で、サッカーやカイトを楽しみながら集落を探索します。
• - The Best Friend: カールに密かに恋心を寄せていた女性で、彼女の選択がストーリーに影響を与えます。
• - The Hunter: 鳥を追う狩人で、特定のミッションで行動します。
• - The Old Man: 主にプレゼント箱を届ける役割を果たす老人です。

開発の背景

このゲームの着想は、ディレクターであるマッシモ・グァリーニがスティーヴン・ウィルソンの楽曲『Drive Home』のミュージックビデオを観た際に生まれました。この映像は愛する人を事故で失った悲しみを描いており、その感情を反映させる形で、ゲームが構築されました。開発チームは映画やアートの専門家とも連携し、インタラクティブな形式に落とし込みました。

評価と受賞歴

『Last Day of June』はその独特な物語と感情表現から高く評価され、2017年のAggie Awardsで「Best Story」を受賞。他のカテゴリでもノミネートされるなど、多くのゲーム賞において注目されました。さらに、第14回英国アカデミー賞ゲーム部門でも「Game Beyond Entertainment」にノミネートされるなど、その作品性が認識されています。

この作品は、プレイすることで得られる感動やプレイヤー自身による解釈が魅力となっており、その深い内容が多くの人々に愛されています。

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