Lisk

Liskとは

Liskは、Cryptiプロジェクトに携わっていたMax KordekとOliver Beddowsによって2016年初めに立ち上げられた分散型ブロックチェーンアプリケーションプラットフォームです。スイスに本部を置き、開発拠点をドイツのベルリンに構えています。

歴史

Liskは、Cryptiからフォークして誕生しました。ICO（Initial Coin Offering）を通じて14,000BTCを調達し、当時としては仮想通貨クラウドファンディングで2番目に大きな調達額を記録しました。2016年5月24日にメインシステムが稼働し、主要な取引所での取引が開始されました。取引開始直後は、ビットコインに次いで2番目に人気の高い仮想通貨として注目を集めました。

ブロックチェーンアプリケーション

Liskの設計思想は、基幹のブロックチェーンとは別に、サイドチェーンごとにブロックチェーンアプリケーションを構築することです。このアプローチにより、各サイドチェーンは大幅なカスタマイズが可能となり、ビットコインやイーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を解決することが期待されています。また、セキュリティ上の問題があるサイドチェーンがメインチェーンに影響を与えないように分離することで、リスクを軽減する狙いがあります。

プログラミング言語

Liskの基幹システムは、バックエンドにNodeJS/JavaScriptが使用され、フロントエンドにはCSS3/HTML5/JavaScriptが採用されています。これにより、開発者は親しみやすいJavaScriptの環境でLiskベースのアプリケーションを構築できます。

DPoS (Delegated Proof of Stake)

Liskは、BitSharesによって開発されたDPoS（Delegated Proof of Stake）アルゴリズムを採用しています。PoS（Proof of Stake）との主な違いは、投票によって選出された上位101名の代表者がネットワークのフォージング（マイニングに相当）を行う点です。具体的には、101個のブロックで構成される一連の動作の中で、各代表者がランダムに割り当てられた1ブロックをフォージングします。この一連の動作は約17分（101ブロック × 10秒）で完了します。もし選出された代表者が割り当てられたブロックをフォージングできない場合、そのブロックの処理は次のブロックに移行します。

ブロックタイム

Liskネットワークでは、10秒ごとに新しいブロックが生成されます。代表者が割り当てられたブロックを正常にフォージングできない場合、トランザクションは次のブロックに移動し、ブロック生成が10秒遅延します。連続してブロックが失われると、トランザクションの処理と確認に遅延が生じます。

フォージング

Liskでは、ブロックが正常に生成されるたびに新しいLSKが報酬として付与されます。インフレ型の報酬制度を採用しており、最初の1年間は1ブロックにつき5LSKが報酬として設定されています。その後、3,000,000ブロック（約1年）ごとに報酬が1LSKずつ減少し、5年後以降は1LSKとなります。

他の仮想通貨との違い

Liskは、しばしばEthereumと比較されるため、その違いを理解することが重要です。

Ethereumとの違い

LiskとEthereumは、どちらもプラットフォーム型の分散型アプリケーションです（Liskではこれらをブロックチェーンアプリケーションと呼んでいます）。主な違いは次のとおりです。

アプリケーション言語: LiskはJavaScriptを使用するのに対し、Ethereumは独自のSolidityを使用します。
アプリケーションのロケーション: Liskはサイドチェーンを使用しますが、Ethereumは現在メインチェーンに格納しています。
エラー処理: Liskでは、アプリケーションに問題が発生した場合、影響はそのサイドチェーンに限定されますが、修正にはハードフォークが必要となります。Ethereumでは、アプリケーションはメインチェーン上の仮想マシン（VM）で実行されるため、エラーが発生するとトランザクション手数料が無駄になります（ただし、VMにバグがない限り）。
コンセンサスアルゴリズム: LiskはDPoSを使用していますが、Ethereumは現在PoWを使用しており、最終的にはPoSに移行する予定です。
アプリケーションVM: EthereumアプリケーションはEthereum仮想マシン（EVM）で実行されますが、LiskにはVMはまだありません（開発中）。

Cryptiとの違い

LiskはCryptiからフォークしたため、しばしば比較されます。主な違いは次のとおりです。

データベース: SQLiteからPostgreSQLに変更されました。
オープンソース: 完全にオープンソースであり、開発状況はGitHubで公開されています。
パスフレーズ: すべてのパスフレーズにBIP39が適用されています。
開発状況: Cryptiの開発は停止しているようですが、Liskは活発な開発を継続しています。

外部リンク

公式ウェブサイト

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