Live USB

Live USBは、USB規格で接続された記憶装置からコンピュータシステムを起動し、利用する形態を指します。この技術は、単にUSBメモリからOSを起動するだけでなく、様々な目的に応用されています。

概要

Live USBを実現するためには、いくつかの技術的な要件を満たす必要があります。まず、対象となるコンピュータシステムのカーネルがUSBデバイスに対応していることが必須です。加えて、Open Firmware、BIOS、UEFIといったファームウェアもUSBデバイスからの起動をサポートしている必要があります。これらの要素が揃うことで、USBメモリや外付けハードディスクなどのUSB接続デバイスからOSを起動し、コンピュータを操作することが可能になります。

インストール用プログラムも、Live USBの形で提供されることが多く、インストール対象のシステムと共通のカーネルを利用してUSBから起動し、利用できるものが一般的です。これにより、CDやDVDドライブがないコンピュータでも、USBデバイスから容易にOSをインストールすることができます。

USBポートの不足や、インストール用プログラムがUSBデバイスを対象としていない場合は、別の接続方法が用いられることがあります。例えば、SATAやNVMeなどのインターフェースで対象デバイスを接続し、OSインストール後にUSB接続へ変更するといった対処方法が考えられます。この柔軟性もLive USBの大きな特徴の一つです。

Live CDは、Live USBの一形態として捉えることができます。Live CDは、光学ドライブからOSを起動する方式ですが、Live USB同様、コンピュータを起動して一時的に利用するためのものです。

Live USBの利用において、設定項目やデータなどを永続的に記録したい場合は、別の記憶装置を併用する必要があります。USBメモリ自体は読み取り専用として扱い、設定ファイルや作成したデータを別のUSBメモリやハードディスクに保存することで、次回起動時にも同じ環境を再現することができます。

Live USBの利点

携帯性: USBメモリは小型で持ち運びやすく、どこでも同じ環境を利用できます。
柔軟性: 様々なOSやアプリケーションをUSBメモリに保存し、必要に応じて使い分けることができます。
利便性: CD/DVDドライブがないコンピュータでもOSを起動できるため、システムの復旧やOSのインストールに役立ちます。
テスト環境: 新しいOSやソフトウェアを、既存の環境を汚さずに試すことができます。

注意点

USBの規格: USB2.0やUSB3.0など、規格によってデータ転送速度が異なります。起動速度や動作速度に影響するため、適切なUSB規格に対応したデバイスを使用することが重要です。
BIOS/UEFIの設定: コンピュータのBIOS/UEFI設定で、USBデバイスからの起動を有効にする必要があります。
互換性: 全てのコンピュータがLive USBに対応しているわけではありません。古いコンピュータや特殊なハードウェア構成のコンピュータでは、正常に起動しない場合があります。

関連技術

Unified Extensible Firmware Interface (UEFI): BIOSの後継となるファームウェアで、USBブートをサポートしています。
Live CD: 光学ドライブからOSを起動する、Live USBの類似技術です。
Linuxライブディストリビューション: Live USBとして利用できる、様々なLinuxディストリビューションがあります。
永続性 (Persistence): Live USBにデータや設定を保存し、次回起動時にも利用できるようにする機能です。
ブートディスク: コンピュータを起動するためのディスクで、Live USBもその一種です。
ポータブルアプリケーション: USBメモリなどで持ち運べるアプリケーションで、Live USB環境で利用できます。
SYSLINUX: Linux向けのブートローダーで、Live USBの起動に使用されます。
* Unionfs, aufs, squashfs: Live USBのファイルシステムで、読み取り専用ファイルシステムと書き込み可能ファイルシステムを組み合わせる技術です。

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