Livedoor Wireless

livedoor Wireless（ライブドアワイヤレス）

概要

livedoor Wirelessは、かつてライブドアが提供していた公衆無線LANサービスであり、2005年12月に正式に始まりました。このサービスは、IEEE 802.11b/gというプロトコルをベースに構築されていました。

歴史的背景

ライブドアは2005年6月にD-cubicという名称でこの事業を発表し、その後「livedoor Wireless」へと名称を変更しました。当初、他の公衆無線インターネットサービスが「ホットスポット」として飲食店や駅などの限られた場所に展開するのに対し、livedoor Wirelessは電柱等にアクセスポイントを設置し、より広範囲をカバーすることを目指しました。月額525円という低価格も話題を呼びました。

無料試験サービスは2005年7月に新宿や六本木で開始され、当初はJR山手線内に2200個のアクセスポイントを設置する計画がありました。しかし、衆議院議員選挙によって工事が遅れ、2005年12月に有償サービスを開始する運びとなりました。

サービスの展開

サービスが開始された当初、アクセスポイントは1182個あり、その後も設置が続けられ、2006年7月3日には2200個の設置が完了したとされています。しかし、公表された数字と実際の数値に乖離が見られるとの指摘もありました。

2006年1月、同社の社長が逮捕された出来事がありましたが、livedoor Wirelessはサービスの運営を続ける意向を示しています。ただし、第二次計画で提携を考えていたYOZANとの提携は解消され、当面は第一次計画に集中することになりました。この時点でのサービスエリアは東京都内の一部に限定されるようになりました。

課題と批判

livedoor Wirelessは「面」のサービスを展開していると謳いながら、実際には多くの問題が存在しました。具体的には、アクセスポイントの設置数が不足し、利用者が屋内や障害物の多い場所で電波を受信しにくいという仕様上の限界がありました。また、サーバーのセキュリティ面についても懸念が示されました。

特に、MACアドレス認証の使用により、盗聴やなりすましのリスクが指摘されていました。加えて、WPA/WPA2/802.1xに対応するインフラが整備される予定でしたが、実際にはユーザーに向けたサービスとしては未だ実現しませんでした。

提携とサービスの変遷

2008年2月にはFONとの提携が発表され、FONの利用者は無料でlivedoor Wirelessを利用できるようになりましたが、この提携は2011年2月をもって終了しました。2011年7月にはソフトバンクWi-Fiスポットの利用者もサービスを利用できるようになり、2012年6月30日にはそのエリア提供が終了しました。

最終的に、2013年1月には新規会員募集が停止され、同年4月30日にはサービスが完全に終了しました。

サービスプラン

livedoor Wirelessではいくつかのサービスプランが用意されていました。主なものは以下の通りです：

• - 無料お試しサービス: Thinkpark内の一部地域で利用可能で、livedoor IDを登録すれば誰でも利用可能でした。接続できるのはライブドアのサービスのみで、暗号化はなされていないためセキュリティは弱いものでした。
• - 有償サービス: livedoor IDとウォレットを登録しているユーザー向けで、接続先に制限はないが、暗号化はWEPでした。
• - eduroam: eduroamユーザーに提供された無償サービスで、暗号化はWPA2-EAPでした。

結論

livedoor Wirelessは、当初から都市部を中心に広範囲をカバーすることを目指していましたが、さまざまな課題と批判に直面し続けました。その結果、サービスは多くの提携や変遷を経た後、2013年に終了を迎えました。

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