M★A★S★H マッシュ

『M★A★S★H マッシュ』 - 概要とあらすじ

『M★A★S★H マッシュ』は、1970年に公開されたアメリカのブラックコメディ映画で、朝鮮戦争を舞台に、米陸軍の移動外科病院で働く軍医たちの奮闘と日常を描いた作品です。監督はロバート・アルトマンが務め、リチャード・フッカーによる原作小説を映画化しました。この映画は、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールやアカデミー脚色賞を受賞したことで広く知られています。

映画のタイトル「MASH」は「Mobile Army Surgical Hospital」の略で、移動外科病院を指します。作品は戦争という厳しい状況にありながらも、軽妙でユーモラスなタッチで展開され、人間ドラマを際立たせています。

あらすじ

物語は、朝鮮戦争時代の米陸軍の移動外科病院に新たに配属された軍医たちの視点から始まります。二人の軍医大尉、ホークアイとデュークは、赴任早々に病院内の女性将校に興味を示し、責任者のブレイク中佐から注意を受けます。彼らは厳格な性格のバーンズ少佐と同じ部屋に割り当てられますが、彼の小言に辟易した二人は、早々に別の部屋を求め、ブレイクに直訴します。結果的に、バーンズは新しい部屋へ移ることになり、代わりに軍医大尉のトラッパーが合流します。この三人は素晴らしい医者ではありますが、日々軍紀を無視した騒々しい生活を送っています。

ある日、業務を厳守しようとする新任の看護師長フーリハン少佐とバーンズは、上司のハモンド准将に対し、病院内の混乱を告発する書類を用意します。しかし、ホークアイたちはこの告発状を知り、彼らのプライベートな状況を軍放送に流してしまいます。この出来事によって、フーリハンは「ホットリップス」というあだ名をつけられ、バーンズはホークアイとトラッパーを殴る騒動に発展します。

ホークアイは、従軍神父のデイゴから、歯科医ワルドウスキーが深刻な悩みを抱えていることを聞きます。ワルドウスキーは、自己の性的アイデンティティについて苦悩し、ついには自殺を考えるようになります。ホークアイは彼を助けるために独自の「お別れパーティー」を企画し、ワルドウスキーが女性将校マリアと一夜を共にする手助けを行います。

また、ホークアイたちはフーリハンの金髪の真相を知ろうと、彼女がシャワーを浴びている最中にテントを壊すという行動に出ます。フーリハンはこの暴挙に怒りを爆発させ、最終的にはハモンドに直訴します。

次に、ホークアイとデュークは、日本で負傷した連邦下院議員の息子の手術のために派遣されます。彼らは早急に手術を終え、ゴルフや芸者遊びを楽しもうとするが、大佐から軍法会議にかけられそうになります。二人は交渉の末に、議員との関係を使って大佐を脅し、自由を得ることに成功します。このように、彼らの軍医としての職務と無責任な行動が交錯し、滑稽な状況が生まれます。

最終的に、ホークアイとデュークは帰国命令を受け、トラッパーと別れを告げます。そして、彼らが病院を離れるシーンが描かれ、軍放送からは映画のキャストや内容が流れることで物語は幕を閉じます。この映画は、笑いの中に人間ドラマや戦争の悲惨さを巧妙に描写しており、今なお多くの人々に愛される名作となっています。

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