M型潜水艦

M型潜水艦について

M型潜水艦（ロシア語：Подводные лодки типа «Малютка」）は、ソビエト連邦の海軍が1930年代から1950年代にわたり運用していた潜水艦の艦級です。この艦級は、低価格で大量建造が可能な設計とし、またその特性から「マリュトカ級」とも呼ばれています。

開発の背景

ソ連海軍は、その戦闘教義に基づき、主に陸軍を支援し、自国の沿岸地域を防衛する任務を持つ沿岸海軍としての役割を果たしていました。このため、沿岸防衛に適した小型潜水艦が求められるようになり、SC型潜水艦の開発が行われました。しかし、SC型の建造には高額な費用がかかってしまったため、さらに小型でコストを抑えた潜水艦が必要とされました。

この要請を受けて、技師アレクセイ・アサフの指導のもと、1930年代初頭に新たな設計案がスタートしました。その結果、1932年にはM型潜水艦が開発完了し、基準排水量が100トンから200トンという非常に小型の潜水艦となりました。機能を絞り込み、小型化することによって安価に製造可能になり、1930年代と40年代にかけて合計111隻が建造されました。

戦争と運用

この艦級の大量配備により、第二次世界大戦開戦時のソ連潜水艦隊は、数の上で世界最大の戦力を誇ることとなりました。しかし、ほとんどが小型哨戒型潜水艦であったため、通商破壊や艦隊戦闘能力においては、ドイツ海軍や日米英海軍に比べて制約がありました。M型潜水艦は主に黒海艦隊とバルチック艦隊に配備され、第二次大戦中において33隻が戦闘で失われました。

輸出と国際的な利用

戦争終結後、M型潜水艦は中華人民共和国にも輸出されました。中国が購入したのは、ソ連海軍から退役した中古艦であり、具体的には第15系列の4隻が引き渡されたのです。これらの艦艇は、1953年から1955年にかけて中国の第一次五カ年計画に沿って購入され、「国防21号」から「国防24号」として人民解放軍海軍に供されました。

派生型とその特徴

M型潜水艦には、原型である第6系列に加え、改良型としての第6系列bis、さらには第12系列および第15系列の3つの派生型が存在します。これにより、さまざまな運用ニーズに応じたバリエーションが提供されました。

結論

M型潜水艦は、沿岸防衛に役立つ小型艦として、ソ連海軍の戦力構成に重要な役割を果たしました。その設計と大量生産能力は、当時の戦略的ニーズに応えるものであり、今後の潜水艦開発においても影響を与え続けています。

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