M-1グランプリ2020

『M-1グランプリ2020』概要

『M-1グランプリ2020』は、日本の漫才コンクールの一大イベントであり、2020年12月20日に決勝戦が行われました。この大会は吉本興業と朝日放送テレビの共同主催で、事務局は大会スローガンとして「漫才は止まらない」を掲げました。これにより、コロナ禍の影響にもかかわらず、漫才の楽しさが止むことなく、全国の漫才ファンがその瞬間を共有しました。

大会の準備と開催

2020年大会には5081組の漫才師がエントリーし、これは過去最高の参加者数です。しかし、新型コロナウイルスが影響を及ぼし、一部の通常の競技形式が変更されることとなりました。具体的には、1回戦は無観客での開催、3回戦は省略される形で実施されました。このような中でも大会は無事に行われ、多くの笑いを生むことに成功しました。

審査員は前回に続き、オール巨人をはじめとする実力派の7名によって構成され、司会は今田耕司と上戸彩のコンビが務めました。新型コロナウイルス感染拡大防止策として、審査員席はアクリルボードで隔てられ、観客にはマスクの着用が求められました。出場者の出番は、「笑神籤（えみくじ）」によって決定されました。

決勝戦の様子

決勝には、準決勝を勝ち抜いた9組と敗者復活戦を勝ち上がったインディアンスを加えた10組が出演しました。ファイナリストたちはそれぞれ独自のスタイルを持っており、特に注目されたのが優勝を果たしたマヂカルラブリーです。彼らはフレンチレストランを舞台にしたコント漫才を披露し、審査員にも高い評価を得ました。

参加コンビとその特徴

特筆すべきは、初めてピン芸人同士のユニットであるおいでやすこがが決勝進出を果たしたことです。これは、彼らが芸歴一年四ヶ月での決勝進出という、史上最短記録となりました。また、準決勝ではGYAO!ワイルドカード枠から進出したラランドが話題を集めました。

さらに、特に注目が集まったコンビには「タイムキーパー」や「号泣」などがあり、これらのグループは数年ぶりに限定的に再結成し、若い世代からの支持を受けました。これら様々な人たちが一堂に会することで、M-1グランプリは作品としての多様性や、漫才という文化の深さを示しました。

文化的影響と視聴率

『M-1グランプリ2020』は、視聴率の面でも大きな注目を集めました。フジテレビ系列で放送されていたアニメ『鬼滅の刃』と視聴率の争いを繰り広げ、関東地区で19.8％、関西地区では29.6％という高い数字を記録しました。これにより、日本の視聴者が漫才に対して、他のエンターテインメント同様に関心を寄せていることの証明となりました。

結果とその後の議論

最終的に、マヂカルラブリーが3票を獲得し、優勝者として称えられました。しかし、そのネタの形式に関しては、国内外のファンの間で議論が巻き起こりました。「あれは漫才なのか？」という声が溢れる中、多くの芸人や評論家たちがそれについての意見を交わしました。それにもかかわらず、視聴者や業界から十分な評価を受けた彼らのスタイルは、「新しい形の漫才」として認識されつつあります。

この大会は、多くの漫才師にとってであり、観客にとっても記憶に残るものとなることが期待されています。新型コロナウイルスという逆風の中でも、多くの笑いが生まれた2020年のM-1グランプリの意義は、今後の漫才界においても重要な位置を占めることでしょう。

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