M2 60mm 迫撃砲

M2 60mm迫撃砲の概要

M2 60mm迫撃砲は、アメリカ軍が第二次世界大戦からベトナム戦争にかけて使用した軽量の迫撃砲です。この兵器は、1920年代後半にフランス製のMle 1935 60mm迫撃砲を基に開発されました。アメリカ陸軍軍需品部は、当初の設計を改良し、1930年代後半に試験を行った結果、着実に信頼性と性能を向上させました。

1940年には最初の1,500門が発注され、その後約60,000門が製造されました。これにより、迫撃砲の軽量さと高い機動性は、アメリカ軍の歩兵部隊に不可欠な戦力となりました。M2迫撃砲は、砲身、撃針、マウント（脚と底板を含む）で構成されており、主に榴弾を使用します。また、M83照明弾を発射することで、夜間の対空支援も行うことができました。

M2迫撃砲は、第二次世界大戦中のアメリカ軍の歩兵連隊において、その効果的な運用方法が確立されました。各歩兵連隊には27門が配備され、複数の火器小隊に分散して装備されました。具体的には、各歩兵中隊ごとに配置された火器小隊が3門の迫撃砲を持ち、3つの歩兵小隊をサポートする形で、連携して戦闘を展開しました。これにより、歩兵の火力が大幅に強化され、戦場での運用が円滑に進められるようになりました。

第二次世界大戦後もM2迫撃砲は使用され続け、特に朝鮮戦争やベトナム戦争などの紛争においても活躍しました。しかし、1942年にはM19 60mm迫撃砲が新たに採用され、その後に進化したM224 60mm迫撃砲に取って代わられる形で退役しました。

この迫撃砲は、海外でも広く使用されました。原設計国であるフランス軍は、オリジナルのMle 1935 60mm迫撃砲と共に運用し、第一次インドシナ戦争やアルジェリア戦争でも多くの実戦でその性能を発揮しました。また、日本でも1951年から供与され、陸上自衛隊によって運用されましたが、現在ではこちらも退役しています。

諸元・性能

• - 種別: 迫撃砲
• - 口径: 60mm
• - 砲身長: 726mm (28.6インチ)
• - 重量: 19.05kg (42.0lb)
• - 全長: 28.58インチ (726mm)

作動機構

• - 砲架: M5 マウント（二脚+底板）
• - 俯仰角: +40°~+86°
• - 初速: 158メートル/秒
• - 有効射程: 100–914m (109–1,000ヤード)
• - 最大射程: 1,815m (M49A2榴弾使用時)

発射性能

• - 発射速度: 持続：18発/分、最大：30-35発/分

登場作品

M2 60mm迫撃砲は、多くの映画やゲームなどでその姿を見ることができます。

• - 映画『戦国自衛隊』では、戦国時代にタイムスリップした自衛隊が迫撃砲を使用します。
• - 映画『プライベート・ライアン』では、終盤の戦闘シーンで迫撃砲が登場し、敵の攻撃に対処します。
• - ドラマ『ザ・パシフィック』では、ペリリューの戦いで海兵隊が使用する場面があります。

このように、M2 60mm迫撃砲は歴史的にも重要な役割を果たしてきた兵器であり、その影響は現在に至るまで続いています。

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