M26手榴弾
M26手榴弾について
M26手榴弾は、アメリカ軍によって開発された破片手榴弾であり、マークII手榴弾の後継モデルです。この手榴弾は、従来の手榴弾に見られる不規則な破片散布を改良し、全方位に均等に破片を飛散させることを目指して設計されています。これは、手榴弾の性能が一貫して発揮されることを目的としています。従来型の手榴弾は、重い弾殻を使用し爆薬を少なくしていたため、大きな破片が遠方に飛ぶことがあり、投擲者自身が危険にさらされることがありました。
M26手榴弾では、爆薬を多く使い、細かい鋼製のワイヤーを高速で撒き散らすことで、特定の範囲に確実な効果を発揮するように設計されています。これにより、軽量の破片は空気抵抗によって速やかに速度を失うため、投擲者の安全性も考慮されています。手榴弾の表面は薄いスチールでできており、裏側には破片を形成するための刻み目がついた鋼製ワイヤーがあります。
M26手榴弾は、しばしば「レモン」というニックネームで呼ばれていますが、これはマークII手榴弾のニックネーム「パイナップル」と対比されるものです。また、後継のM67手榴弾は「アップル」という呼称でも知られています。特にベトナム戦争を含む多くの紛争で使用され、西側諸国において人気のある手榴弾となりました。さらに、陸上自衛隊でもこの手榴弾が採用されており、西ドイツではDM41という名称で国産化されています。また、オーストラリア軍もM26を導入したものの、後にF1手榴弾に置き換えられました。
M26手榴弾には初期型のM26A1、着発信管を搭載したM26A2、また安全装置を備えたM61の3つのバリエーションがあります。現在、アメリカ軍ではM67破片手榴弾が主要な手榴弾として使われており、M26はもはや現役ではありません。
スペック
採用国
映画およびゲームにおける登場
M26手榴弾は、映画やゲームにおいても多く取り上げられています。例えば、映画『ダイ・ハード2』では、主人公が手榴弾を使うシーンがあります。また、ゲーム『グランド・セフト・オートシリーズ』では「手榴弾」という名称で登場します。これらは、M26手榴弾の普及と認知度を高める一因となっています。
M26手榴弾は、設計の革新とともに戦闘の実践でも活躍し、多くの国で採用されるなど、その影響は計り知れません。
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