M39卵型手榴弾

M39卵型手榴弾

M39卵型手榴弾（Eihandgranate 39）は、1939年にドイツで開発された手榴弾です。M24型柄付手榴弾の後継として開発され、その生産性と使いやすさから第二次世界大戦中に広く使用されました。

概要

M39は、M24型柄付手榴弾の後継として、1939年から生産が開始されました。大量生産を考慮したプレス加工が採用され、製造工程が容易になったため、第二次世界大戦中にはM24よりも多く生産されました。第一次世界大戦中にも、本手榴弾と類似したコンセプトとサイズのM17卵型手榴弾が開発・採用されています。

携帯性を重視した卵型が特徴で、M24のような柄付型に比べて軽量化されています。後期生産型では、軍服などに吊り下げられるように、下部に引っ掛け用の金具が取り付けられました。炸薬にはTNT火薬が使用されています。

炸薬量と殻の厚さが比較的少ないため軽量で、遠くまで投げやすいという利点がありますが、有効半径は約10mと殺傷範囲は狭くなっています。この特性から、M39は攻撃型手榴弾に分類されています。大戦末期には、殺傷能力を向上させるために外側に装着する破砕外筒も開発されました。

発火方式はM24と同じ摩擦発火式で、「BZ39信管」と呼ばれるものが使用されています。この信管は信頼性が高く、寒冷地である東部戦線でも正常に動作したとされています。

使用方法

M39の使用方法は以下の通りです。

1. 信管上部の安全キャップをねじって外します。
2. 安全キャップと信管内部をつなぐ紐が現れます。
3. 外した安全キャップをつかんで紐を引き抜くと、内部の遅延薬に着火します。

安全キャップには、爆発までの遅延時間を示すために色分けがされています。

青：4-5秒
灰色：10秒
黄色：7秒
赤：1秒

赤キャップのものは、吸着地雷やブービートラップなどに使用されました。また、敵を欺くために、意図的に遅延時間の異なる安全キャップを取り付けて戦場に放置する戦術も用いられました。

登場作品

M39は、以下の作品に登場します。

映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』：エルンスト＝ロベルト・グラヴィッツが家族と無理心中する際に使用する場面で登場します。
ゲーム『コール オブ デューティ3』：ドイツ軍兵士が装備していますが、ゲーム内での使用はできません。

関連項目

手榴弾
M24型柄付手榴弾

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