M65 (フィールドジャケット)

M-65フィールドジャケットについて

M-65フィールドジャケットは、アメリカ軍によって使用された防寒用の野外ジャケットで、その正式な名称は「COAT, COLD WEATHER, FIELD」です。1965年の採用以来、特に朝鮮戦争と湾岸戦争で多くの兵士に支給され、その耐久性と機能性から長年にわたって現役の戦闘服として愛用され続けました。

歴史と背景

M-65ジャケットは、朝鮮戦争の頃に使われていたM-51フィールドジャケットの後継モデルとして開発されました。その製造は1965年から始まり、2008会計年度まで続けられました。特に湾岸戦争の際には、冷え込む夜間に対応した防寒具として、多くの兵士に支給されました。その影響で、このジャケットはテレビや映画にも頻繁に登場し、多くの人々に親しまれる存在となりました。

デザインと特徴

M-65ジャケットは、セクションごとに異なる複数のモデルが存在し、素材やデザインにはさまざまな改良が施されています。例えば、オリジナルのM-51からの進化として、まず生地がコットン100%からナイロン混紡に変わり、より耐久性が増しました。また、襟のデザインが変更され、簡単にフードを取り出せるようになりました。この脱着式フードは、悪天候時に首元をガードする役割も果たします。

さらに、ボタン留めからマジックテープ留めへと変更され、着用者にとっての利便性が向上しました。袖口には折り込めるフラップがあり、風の侵入を防ぐ工夫がされています。腰回りにはドローストリングが取り付けられており、着用者の体格に合わせてフィット感を調整できます。

また、ポケットは胸に2つ、腰に2つの計4つ備えられ、収納力も申し分なしです。内側には防寒用ライナーを取り付けるためのボタンがあり、ライナーを使うことで寒冷地でも対応できる設計となっています。ライナーはMIL-L-43536という規格に基づき、オリーブグリーン色で統一されているのが特長です。

材料とカラーリング

M-65は、コットンとナイロンの混合生地で作られています。これにより速乾性と耐久性を実現し、使用時の快適さが向上しました。色合いはオリーブグリーン（OG-107）やさまざまな迷彩パターン（ウッドランド、デザート、ユニバーサルなど）が採用され、用途に応じて選択できます。特にオリーブグリーンは、1965年から1991年まで製造されていたため、コレクターアイテムとしても人気があります。

非公式な使用と民間市場

M-65は、特に非正規軍や民兵組織での使用が目立ち、そのため多くの放出品やレプリカも市場に流通しています。著名な人物や俳優が身につけることで、ブランドとしての人気も高まり、カジュアルファッションのアイコンとしても位置づけられています。日本では有名人が愛用している姿も見受けられ、ファッションブランドもこのジャケットをデザインソースとして利用し多様化しています。

映画と文化への影響

M-65フィールドジャケットは、数多くの映画やドラマに登場し、その知名度は世界中に広がっています。アル・パチーノやロバート・デ・ニーロ、シルヴェスター・スタローンなど、多くの著名な俳優がこのジャケットを着用しており、その影響を受けた世代も少なくありません。時代と共に形を変えながらも、M-65は今もなお、ファッション、機能性の両方で我々の生活の中に息づいています。

このように、M-65フィールドジャケットは単なる軍事用の衣服にとどまらず、文化的な象徴へと成長を遂げています。

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