MAMOR

防衛省・自衛隊に関する広報誌『MAMOR』

『MAMOR』（マモル）は、扶桑社が発行している月刊の防衛省及び自衛隊の広報誌です。この誌は2006年に創刊準備号が発行され、翌年の2007年1月21日に正式に創刊されました。毎月21日（21日が日曜日の場合は20日）に発売され、そのキャッチコピーは「国民とともに防衛を考える情報誌」です。このタイトルは「守る」や「護る」といった言葉から来ており、内容は幅広く防衛に関する情報を提供することを目的としています。

創刊の背景と特徴

『MAMOR』は、扶桑社が出版不況に直面した際、新設したカスタム出版部によって発案されました。この部は防衛省と契約を結び、制作を請け負っています。一般向けと広報誌の中間的な位置づけであるこの誌は、製作費をすべて扶桑社が負担し、防衛省が一定部数を購入する仕組みを取っています。そのため、扶桑社はこの誌を「オフィシャルな広報誌」「専門誌」と位置づけています。

初代編集長の高久裕氏は、一般雑誌での経験を活かしてこのプロジェクトを引き受けました。彼自身は軍事や自衛隊に全く興味がないものの、経営上の理由で防衛庁（現在の防衛省）に提案を持ちかけたのです。また、旧防衛庁が省昇格し「防衛省」となったのも創刊のタイミングに重なります。

編集方針と企画内容

『MAMOR』の編集方針は、創刊当初から軍事ファンではなく一般読者を意識しています。コラムや記事には、自衛隊とは無関係の著者を起用して、より「メジャー感」を出すことを心がけています。過去の広報誌では特定の装備や政策に焦点を当てることが多かったのに対し、『MAMOR』は自衛官自身に焦点を当てる内容が特徴です。あくまで広報活動が目的であり、志願者募集に特化したものではありません。

特に、一般読者向けの調査結果を元に企画を行うことも多く、愛好される装備品についてのアンケートでは90式戦車が人気を集めています。また、2009年の号では、自衛官への「生まれ変わっても自衛官になりますか？」という設問に対し、回答者の約70%が「ならない」と答えたことが話題となりました。さらに、婚活企画や自衛隊グッズのコラボレーションなど、幅広いジャンルの企画に挑戦しています。

主な内容とセクション

誌内では、自衛隊員や軍事専門家のインタビュー、自衛隊の日常や装備の紹介、さらには歴史を振り返るコーナーなど多彩な内容を提供しています。表紙は創刊当初は装備品が主体でしたが、現在では「防人たちの女神」としてアイドルが自衛官の制服を着用してポーズを決めるスタイルに変わっています。

その他、料理コーナーや軍事ニュースの解説、隊員紹介、婚活企画など多岐にわたる企画も用意されています。最新の技術や国際情勢を反映させた情報発信を行い、読者にとって身近な存在であることを目指しています。

『MAMOR』は、一般読者に防衛問題を考えてもらうための架け橋となるべく努力している広報誌であり、自衛官たちの姿やその役割、日常に一歩近づく内容で構成されています。このようにして、国民が防衛について考え、自衛隊に対して理解を深める機会を提供しているのです。

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