MBSスタジオ in USJ

MBSスタジオ in USJ（エムビーエススタジオ イン ユーエスジェイ）は、大阪市此花区にあるテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）の敷地内に、かつて設けられていたテレビスタジオです。

毎日放送（MBS）の開局50周年記念事業の一環として計画され、2001年3月31日のユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園と同時に運用を開始しました。それまで大阪府吹田市にあった千里丘放送センターで制作されていた多くのMBS制作番組、例えば長寿番組の「痛快!明石家電視台」や、全国ネットの帯ドラマ枠「ドラマ30」などの収録が、このUSJ内の新スタジオへと移されました。USJからの最初の番組となったのは、パーク開業日の朝に生放送された全国ネット番組「いい朝8時」でした。

このスタジオでは、前述の番組以外にも、関西ローカルのバラエティや情報番組、過去には「ひるドラ」といった全国ネットのドラマの一部作品も制作されていました。本社から離れた場所に大規模なスタジオを持つ例は、JNN/TBS系列局では比較的珍しい存在でした。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンという特別な立地にあったため、MBS本社（大阪市北区茶屋町）との間には、MBS社員や番組出演者といった関係者専用の送迎バスが運行されていました。また、2006年頃までは、パークのアトラクションの一つとして、来場者がガラス越しに番組制作現場を見学できる「テレビプロダクションツアー」が実施されていました。このツアーについては、出演者である明石家さんま氏が番組内で「ガラス越しに見学されるのが気になった」と語るエピソードも残っています。

敷地の賃貸契約は当初2011年3月までの予定でしたが、2008年1月には10年間の契約延長が発表されました。しかし、その翌年である2009年1月には、MBSが茶屋町の本社敷地内に新たなビル（B館）を建設し、そこにスタジオ機能を集約する計画を明らかにしたことで状況は変化します。この新館（B館は2014年4月運用開始）への機能移転を理由に、MBSは2014年3月31日をもってUSJ内のスタジオから撤退することを決定し、閉鎖に至りました。

撤退の背景には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンという場所の特性からくる交通アクセスの問題、スタジオの賃借料負担、そして本社へのスタジオ機能集約による効率化という複数の要因があったとされています。閉鎖に伴い、USJスタジオで制作されていた番組の収録や生放送は、茶屋町の新B館に設けられたスタジオへと移されました。

スタジオ建物自体は閉鎖後も解体されず、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの施設として引き続き利用されています。現在は「ステージ18」という名称で、チケットセンターやイベント開催時の更衣室などに活用されています。2020年からは、世界最大級の広さを誇るフリーウォーク型VRアトラクション「XR WALK」の常設施設としても運用されるなど、多目的なスペースとなっています。かつて掲げられていたMBSのロゴ看板や垂れ幕は撤去されましたが、建物内部には、かつてラジオスタジオとして使われていた空間に「ON THE AIR」の表示灯やガラス窓などが、当時のまま残されている箇所も見られます。

MBSはUSJスタジオの閉鎖後、茶屋町の本社増築時にエントランス部分に「ちゃやまちプラザ」というオープンスタジオ形式のスペースを新たに設けています。

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