MEN'S KNUCKLE

MEN'S KNUCKLE：お兄系ファッション誌の軌跡

2004年4月、ミリオン出版から創刊された『MEN'S KNUCKLE』（メンズナックル）は、独特の世界観を持つメンズファッション誌として人気を博しました。 誌名の由来や詳細な内容は不明ですが、 『men's egg』の増刊として誕生し、その後独立した月刊誌として成長を遂げました。2022年7月、9月号をもって休刊するまで、多くの読者から支持を集めた雑誌でした。

雑誌のコンセプトとターゲット層

『MEN'S KNUCKLE』は、10代後半から20代前半の男性をターゲットとした、いわゆる「お兄系」ファッション誌でした。単なるファッション誌にとどまらず、性やサブカルチャーといった、若者世代の関心に触れる記事も掲載していました。 編集長である倉科典仁氏（創刊時）は、『men's egg』との差別化として、「不良っぽさを加え、モノトーン中心の世界で表現した雑誌」と説明しています。 この姿勢が、雑誌に独特の雰囲気と人気を生み出したと言えるでしょう。

個性的な誌面とキャッチコピー

『MEN'S KNUCKLE』の大きな特徴として、挑発的で記憶に残るキャッチコピーが挙げられます。「千の言葉より残酷な俺という説得力」「そう力むな。大人の余裕でトレンチを羽織れ」など、自信に満ちた、時に攻撃的な言葉選びが注目を集めました。 倉科編集長は、この姿勢について「言い切ることが大切。自信満々で堂々と着るほうがカッコよく見える」とコメントしています。 この自信に満ちた姿勢は、誌面全体に反映され、読者に強い印象を与えました。 ストリートスナップも、この独特の雰囲気を醸し出していました。

多彩な企画と連載

誌面は、ストリートスナップやヘアカタログといった定番企画に加え、様々な連載企画が展開されていました。「TOKYO KNUCKLE STYLE」では、国内ブランドを紹介。「スト★スナ」や「BOY'S KNUCKLE スト★スナ」は、ストリートの若者たちのスナップ写真と個性的で記憶に残るキャッチコピーで構成されていました。 その他にも、スタイリストによるブランド紹介や、モデルの特集、読者投稿コーナーなど、多様なコンテンツが掲載されていました。 これらの企画は、読者の関心を惹きつけ、雑誌の人気を高める上で重要な役割を果たしました。

メディアミックス展開

『MEN'S KNUCKLE』は、雑誌媒体にとどまらず、メディアミックスにも積極的に取り組んでいました。ニコニコ動画での読者モデルオーディションや、フジテレビのバラエティ番組『ピカルの定理』でのパロディコントなど、様々なメディアを通じて雑誌の世界観を広げました。 これらの展開は、雑誌の認知度向上と、若い世代へのアプローチに貢献したと考えられます。

歴代編集長と誌面の変化

『MEN'S KNUCKLE』は、創刊編集長の倉科典仁氏、2代目編集長の篠塚雅也氏、3代目編集長の根津一也氏と、編集長が交代する中で、誌面の構成や方向性にも変化がありました。 篠塚時代にはメディアミックスが盛んになり、根津時代にはホスト色を強めた企画が増えたと言われています。 それぞれの編集長の個性と時代背景が、雑誌の進化に影響を与えたと言えるでしょう。

休刊とその後

2022年9月号をもって休刊した『MEN'S KNUCKLE』ですが、その存在感は多くの読者の記憶に刻まれています。 独自のスタイルと世界観、そして挑発的なキャッチコピーは、当時を知る者にとって、忘れがたいものとなっているでしょう。 雑誌は休刊しましたが、その影響は、後続の雑誌やメディアにも色濃く残っていると言えるでしょう。 多くの読者と関係者に惜しまれつつ幕を閉じ、日本のメンズファッション史に一時代を築いたと言えるでしょう。

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